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(No9) さらば!憂鬱 〜認知療法入門〜(9) 第二部 応用 第五章 虚無主義:いかにして克服するか 『いやな気分よ さようなら』(著:デビッド・D・バーンズ。星和書店)の紹介。
第二部の第五章から。なお、小見出しは、本書にはなく理解を助けるため石野がつけたもの。
1 うつ病の怖い要素
P79 「うつ病の最も怖い要素の一つは、意志力を麻痺させてしまう点です。
軽症のときは、嫌な仕事をいくつか先に延ばそうとします」。
P80 「多くのうつ病患者は、自分を助けるために何かをすることを頑固に拒絶する時期がある」。
P82 「問題は、なぜ自分の利益にならないとわかっていてそれ(石野注 先延ばし)をするかということです」。
2 ぐずぐず主義と虚無主義に最も見られやすい心理状態
P87
(1) 絶望
「落ち込んでいるときには、まさにその瞬間の苦しみに囚われているので、過去に気分が良かったことやこの先気分がよくなる可能性があることなど、すっかり忘れてしまっている」。
(2) 無力感
「気分は自分のコントロールを超えたもの〜によって決定されると信じているので、気分を変えるようなことが何もできない」。
(3) 圧倒されること
「やり遂げることが不可能と思えるほど仕事を広げてしまったり、一度に何もかも一人でやってしまわなくてはいけないと考えたりする」。
P88
(4) 早合点
「いつも『できない』とか『でも・・・』と言う癖がついているので、自分には満足のゆく結果が出せるような行動は、何一つできないと思い込んでいます」。
(5) レッテル貼り
「ぐずぐず先に延ばせば延ばすほど、ますます自分を責めてしまい、さらに自信がなくなってしまいます。自分に『怠け者』というレッテルを貼ることで、こういった問題が起きる」。
(6) 報酬を安く見積もってしまうこと
「落ち込んだときには、どんなに意味のある行動も第一歩が出にくい〜というのはその仕事がひどく難しく思えるばかりでなく、報酬が払った努力に値しないように感じるから」。
(7) 完全主義
P89
「間違ったゴールと基準を設けて、自分を苦しめています」。
(8) 失敗への恐れ
「努力してうまくいかないと、人格そのものまで否定されると思い込んでいるのでトライするのが嫌になってしまう〜。
よくある間違いの一つは、一般化のしすぎです」。
P90
(9) 成功への恐れ
「自信がないと〜成功をとても保てないと思い、他の人々の期待をいたずらにあおるだけだと感じてしまう」。
P91
(10) 非難や批判への恐れ
「何か新しいことをすると、どんな小さな間違いも失敗も強く非難されるに違いないと思いがち」。
(11) プレッシャーと反発
「『やる気』の最大の敵はプレッシャーで〜『〜しなければならない』『〜するべきだ』といいた道徳性を自らに課すような場合」「すべての仕事がとても耐えられないようなおもしろくないものに変わってしまい〜ぐずぐず先に延ばしてしまうと、自分がとんでもない『なまけ者』に思えて良心が咎め〜結果的には、あなたのエネルギーを失う」。
P92
(12) フラストレーション許容力の低下
「途中で障害物があると、怒り心頭に達し〜あらゆる不公平に対して恨みを抱いてしまい、結局何でも諦めてしまう」。
(13) 罪と自責の念
「自分は悪で他の人々からも軽蔑されているという思いに囚われてしまっている」。
さて、次章へ。
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