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(No8) さらば!憂鬱 〜認知療法入門〜(8) 第二部 応用 第四章 自己評価を確立することから始めよう 『いやな気分よ さようなら』(著:デビッド・D・バーンズ。星和書店)の紹介。
第二部の第四章から。なお、小見出しは、本書にはなく理解を助けるため石野がつけたもの。
1 憂うつな心の動きの原因
P49 「落ち込んでいるときは、自分は価値のない人間だと思い込んでいる」。
P49 「憂うつな心の動きというのは、自己評価が低いところから起こる」。
P53 「認知療法の基本の一つは、自分は価値がないという感情に巻き込まれるのを、阻止すること」。
P55 「自分には何の価値もないと思い込んでしまうとき最も多いのは、全か無か思考です」。
P56 「全か無か思考は〜打ち消しがたい不安と度重なる失望をもたらします」。
2 自己評価を高めるための方法
P58 「単に読んだだけで自尊心の強化を保証することはできない
〜 あなたは、いろいろな練習をしなければなりません」。
P58 「価値がないという気持ちは、あなたの内面の自己批判的な声から作られます」。
P59 「これを克服するには、次の三つの段階が必要です。
a 胸のうちに自己批判的な考えが浮かぶとき、それをはっきり見て記録するように訓練する
b このような考えが、なぜ歪んでいるかを学ぶこと
c もっと合理的な自己評価システムができるように、このような声に実際に反発すること」
3 トリプルカラム法
P59 (内面の批判的な声に反発すること)「を達成する効果的な方法の一つは<トリプルカラム法>です。
1枚の紙を3つにわけ〜左の欄には「自動思考(自己批判的)」、真ん中の欄には「認知の歪み」、右の欄には「合理的な反応(自己擁護的)」と書きます。
左の欄に、自分が価値がないと思えたりくだらないと思ってしまうとき、心をよぎる自己批判的な考えをすべて書きなさい。
十個の認知の歪みの定義表を使って〜真ん中の欄に書き込みなさい。
右の欄にもっと合理的で落ち込まない考えを書き入れる」。
P61 「毎日15分、1ヶ月か2ヶ月、このトリプルカラム法を練習すれば、かなりうまくなる」。
P64 「2週間、毎日15分でいいから自動思考と合理的な反応を書き出して、気分の変化をベックのスケールを用いて測ってごらんなさい」。
P65 「頭の中だけで練習しようとせずに、実際に自動思考とそれに対する合理的な反応を書き留めることが、たいへん重要なのです。
書き留めることは、胸の中にしまっておくより客観性を育てる作用があります。
また、落ち込みの原因である精神的な歪みを気づかせてくれる作用もあります」。
4 精神のバイオフィードバック
P65 腕時計形のカウンターを用意し、ネガティブな考えが心に浮かぶたびにボタンを押す。
「その日の終わりにスコアを見て、日誌に書き込む〜。
〜 1週間から10日もすると、数字が頭打ちとなりやがて減ってゆく〜。
〜 ここまでに、だいたい3週間かかります」。
P67 「カウンターを使う場合には、ネガティブな考えやそれに対する答えを書くことの代わりにはならないことに注意してください」
5 落ち込んだとき、重要な三つのステップ
P76 「憂うつな気分のときには、自分には何一つ良いところなんてないんだと思い込んでしまうことが多い」。
P77 「落ち込んだとき、次の重要なステップを覚えておきなさい。
1 自動的なネガティブ思考に照準を合わせて、それらを書き出しなさい。ただし、頭の中でいじらないで必ず紙の上にすること!
2 十の認知の歪みの表に目を通すこと。
3 もっと客観的な考えに置き換えること。
そうすれば、自分を卑下するような考えが誤りであることがわかり、だんだんと気分が良くなるでしょう」。
さて、次章へ。
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