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(No1) さらば!憂鬱 〜認知療法入門〜(1) 序章ほか  

 『いやな気分よ さようなら』(著:デビッド・D・バーンズ。星和書店)の紹介。

 本書の内容に入る前に序章などを紹介する。これで、まず本書の内容に対する期待感を高めることも有用か、と。



1 序章

「1980年に、本書が最初に出版されて以来〜認知療法は精神衛生の専門家のみならず、一般の方々の間でも、大々的な支持を得てきました。実際、認知療法は世界で最も広く実践され、最も熱心に研究されている、心理療法の形態の一つにさえなったのです」。

★ 認知療法が、人々の関心を博する3つの理由 ★

(1) その基本概念が非常に実際的で、直観に訴えるものであるから。

(2) 認知療法が、うつ病や不安はもちろん、その他の数多くの一般的問題に苦しむ個人にも、非常に有効となり得ることが、多くの研究によって確証されてきたから。

(3) 本書を含む多くの自助本の隆盛により、世界中で認知療法が、一般に広く求められるようになってきたから。

★ 薬物療法との関係 ★

「ここ20年間に、慎重に実施された多くの研究の結果」によると「認知療法が、少なく見積もっても、薬と同等、多くの患者さんにとっては、明らかにそれを上回る効果を発揮し得る」。

「これは、個人的趣向や健康への懸念から、薬物を用いない治療をより好む個人にとって朗報です」。

 


2 序文

「バーンズ博士はペンシルバニア大学で長年うつ病の原因と治療についての研究を進め、それに基づいて患者さんが自分で行える特別の治療法を明快に示したのです。

 もちろん重症のうつ病者は専門家の治療が必要ですが、自己コントロールの可能なレベルの場合にはここでバーンズ博士が示した新しい『常識的』対処技法が役立つことでしょう〜」。

 ペンシルバニア大学医学部精神医学教授 アーロン・T・ベック 
 

 





3 はじめに

「実際、認知療法はうつ病に対して、抗うつ薬と同等か、あるいはそれ以上の治療効果があることが証明された最初の精神療法なのです。もちろん薬もよく効きますが、認知療法によって、薬に頼ることなく治療が可能になります」。

「この本に述べたような方法によっては、重症のうつ病の多くが3ヵ月後にはかなりの改善を示します」。

「認知療法〜は、とても簡単です。
(1) 憂うつであったり不安なときには、合理的な考えができず、悲観的に考えすぎ、自分を傷つけるように振る舞ってしまう。
(2) 簡単な努力によって、歪んだ考え方を正すことができるようになる。
(3) 症状が治れば、再び生産的で、幸せになれ、自信が回復する。
(4) 以上のことは、単純明快な方法で、比較的短期間に成し遂げられる」。


(石野注)
 上記の(1)〜(4)が正しいとすれば、一番重要なのは、(2)でいう、歪んだ考え方を正すことができる「簡単な努力」を身につけることであろう。
 「病は気から」とか「何事も気の持ちよう」とはよく言う。悲観的な考え方をすると、気分もより悲観的になる・・・・・というのは理解できる。じゃあ、どうすれば悲観的な考え方をしなくなるように出来るのか、そこが肝心なのである。
 




 それでは、いよいよ本文へ。
   
  

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