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京劇の世界(2)湖広会館(京劇)編−1

(注) 今回の京劇鑑賞記は、「北京旅遊記」の一部です。


 今日の京劇を鑑賞する湖広会館は、瑠璃廠と同じく市内中央の南部に属する。
 1912年に孫文が国民党の結成集会を行なったという歴史を持つ京劇の劇場である。

 開演は7時半とのことなので、それまで劇場に併設された食堂で夕食をとる。
 正直言ってあまり期待していなかったのだが、そんなにあぶらっこくないところが口に合い、とてもおいしかった。
湖広会館

 テーブルに趣きのある酒器(下写真の銀色のもの)が置かれた。

酒器   注文してません、そう言おうと思ったら、「サービスです」。

 ほどよく澗のついた紹興酒であった。ありがたや、ありがたや。

 時間が来たので劇場に案内され、テーブルにつく。

 ラッキーなことに中央前から2列目という、よい席であった。 

 テーブルには、スイカ、ひまわりの種、ドライフルーツ、ナッツ、焼き菓子などの茶うけと、急須、茶碗などのお茶セット。

 映画「さらば、我が愛」に出てきたような、昔ながらの雰囲気をもつ劇場。
 舞台の横までまわりこむように2階席(ボックスシート)があり、1階は、うちと同じようなテーブルが並んでいる。
劇場のテーブル

 外国人向けに、舞台上部の電光掲示板には、中国語のあと、英語で表示が出る。

劇場全景  配られたヘッドフォンからは日本語で解説が流れる。

 演目は、外国人向けに、有名な作品を3本、ダイジェスト版で上演する。
 最初は「盗御馬」
 思い切り簡略化すると、竇爾敦という盗賊が馬を盗む話(←大雑把やなあ)。

 私が初めて京劇を見たのは、つい最近の大連京劇団「覇王別姫」大阪公演(「なん中華」:「京劇鑑賞記」参照)。

 その時は、舞台から自席は30mほども離れていたのではないだろうか。高低差もずいぶんあった。
 今は、ほとんど同レベルで、それこそ汗が飛んできそうなくらいで、迫力が違う。
 見得をきると、目玉のギロッギロッと動く音が聞こえるかと思われるほどである。

 ここだけか、どこも一緒かは知らないが、ビデオ、カメラ撮り放題である。
 いい声をしていたので、隣の白人さんみたいにビデオ持っていたら、撮りたかったなあと思った。

 ヘッドフォンの解説では、役者が見得をきったり、いい場面と思ったら大きな声で「!(ハオ)」と声をかけましょうとすすめる。しかし、きっかけがつかめないとゆうか、なかなか声が出せない。 
男優のアップ

 上の劇場全体写真でわかっていただけるだろうか、舞台奥に黄色い幕が下げられている。そして、左右に黒い部分があるのだが、その下がくぐって出入りできるようになっている。
 舞台に出る時は向かって左、退場は右と決まっているようだ。気のせいか、右から退場する時、首をひねっているように思える。
 「まいったぜ、今日の客。少しも「好!」と言ってくれん」とかぼやいてるのだろうか。

 今回の鑑賞、舞台にあがって俳優と記念写真というオプションがついていた。
 李さんがやって来て、舞台に行くよう促す。
 思い切って、俳優さんに「很好(ヘンハオ)。」(とてもいいです)と声をかけた。俳優さんは一瞬驚いたような表情をして(隈取のせいで、ずっと驚いたような表情に見えるのだが)、「謝謝」と言って、握手をしてくれた。
 彼の手は、思いのほか柔らかく、汗をかいているのかひんやりと湿っていた。   

はい、ポーズ!  彼は、たけしを見ると「小童(シィアオトゥオン)・・・」と言って(そう聞こえたのだが)抱いて膝に乗せてくれた。

 この写真、ホテルに当日の11時頃届けられた。新聞みたいに、ドアの隙間から差し込まれたのだ。
 さっそく見ると、娘に合わせてVサインをしているではないか。まったく気さくな俳優さんだ。 

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