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(No8) 「若冲と琳派」鑑賞記
ゼミナールで一緒に勉強している方から展示会の招待券をいただきました。
タイトルは「若冲と琳派 〜きらめく日本の美〜 細見美術館コレクションより」。
開催期間は平成15年12月27日から16年1月12日まで。
場所は、大阪・なんば高島屋7階のグランドホール。
チケットに使われているのが、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の「雪中雄鶏図」。右下写真です。
会場で図録が売っていたので買いました。(左下写真)
図録の表紙に使われていたのも「雪中雄鶏図」。
さて、ご一緒に会場をまわりましょうか。
入口付近にあったのが、俵屋宗達の水墨画の「墨梅図」、「双犬図」(←ちょっと猫っぽい)、そして「伊年」印の金屏風。
続いて、細見美術館HPの主要美術品リストから飛ぶことができる「柳図香包」(尾形光琳)。
同じく「槇に秋草図屏風」(酒井抱一)。
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「鵞鳥図屏風」(鈴木其一)も同リストから飛べます。
なお、同HPのリストで本作は「水辺鷲鳥図」となっているのでご注意を。
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まずは若冲以外の画が並んでいて、そして会場真ん中あたりで、ちょっと雰囲気が変わります。
「日本工芸の精華 〜七宝の美〜」と題されたコーナーが。
釘隠(くぎかくし)や襖(ふすま)の引手金具などに使われた七宝装飾の数々が展示されていました。 |
さて、いよいよメインの若冲作品が。
いきなり来ましたねえ。虫食い跡のある糸瓜にいろんな虫がとまってます。
作品解説に「11匹の生き物が描き込まれている」とあったので、必死に数えました。
さあ、皆さんは11匹全部見つけられるでしょうか。チャレンジしたい方は京都国立博物館HPの特別展覧会「没後200年Jakuchu!」で「糸瓜群虫図」をご覧ください。
先ほどの細見美術館主要美術品リストから飛べる作品としては、「鶏図押絵貼屏風」。
羽根の描写も巧みですが、きりっとした脚のとこも印象深い。それと図録の解説に「鋭い筆さばきによる勢いのある尾は、何か抽象的な文字を表しているかのようにもみえる」とあるが、確かに「書」を感じさせます。
リンクは載せてませんが、「仔犬に箒図」もなかなかのものです。
タイトルには、「犬」とあるのですが、その顔ときたら猫、いや、お面の狐のようで・・・。眼がね、眼がこわいんですよ。
で、本展示会全体の印象でいくと、「ん?よく知らないんやけど、若冲ってこんなマトモやったっけ?」
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何か伊藤若冲というとすごくマニアックという思い込みがあったのです。何でやろ?
会場を出たところの売店で『週刊日本の美をめぐるNo13 驚異のまなざし 伊藤若冲』(小学館)を買いました。(右上写真)
いやあ、この本はなかなかお買い得。期待に違わずマニアックな作品がいっぱいです。
表紙に載った「群鶏図」も『動植綵絵』(どうしょくさいえ)の中の一作。
「動植綵絵」とは、本書の解説によると「若冲が40代のほぼ10年間を費やした全30幅からなる大連作。『動植綵絵』とは動植物を描いた彩色画のことで、若冲の得意とした鶏をはじめ、鳥類・魚介類・虫類などが、植物とともに画面を埋めつくしている。
描かれた動植物は量も種類も異常に多いうえ、個々の描写も克明きわまりない。これほど過剰で濃密な絵画は、近代以前の日本では空前絶後だろう」とあります。
私にとって、この「動植綵絵」の中でも特に印象が強烈だったのが、「TonTon club」とおっしゃるHPの「伊藤レナの美術館巡りを愉しむ」でも紹介されている「雪中錦鶏図」です。
何ですか、あの雪は。穴、あいてますがな。まあ、一度ご覧ください。
先ほど紹介した京都国立博物館HPでの「付喪神図」です。いやあ、何といいますか・・・。
こちらは、「ラブリー写字室」とおっしゃるHPで紹介されている「百犬図」です。
先ほど紹介した「仔犬に箒図」の犬とは、また描き様が違っているんですが、やっぱ眼がこわいんだなあ、眼が。
正面に向かってチンチンをしている犬がいて、オスらしくて、シャレじゃないんですがチン○ンとキャン○マ丸見え。
本書の解説では、「59匹の子犬の、無邪気に戯れるしぐさが愛らしい」とあるんですが、愛らしいですか、これ?
犬とは思えぬブチ模様のやつとか、アゴがなくて何かやたら丸っこい物体とか。
さて、きりがないので最後に紹介するのが、「枡目描き」と呼ばれる手法で描かれたもの。
たしか、この手法を何年か前に新聞で読んで、変わった画家がいたんだなあと感じた記憶があります。だから、マニアックという印象を持っていたのか。
「鳥獣花木図屏風」の全体図はFuji-TV ART NETというHPの森美術館開設記念展「ハピネス」紹介ページに掲載されています。
この「鳥獣花木図屏風」は、約1.2cm四方の枡目が左右合わせて約8万6千個も予め描かれ、その一つ一つに入れ子状に四角く色彩が施されているそうです。
真ん中にいる火喰い鳥のおなかの辺をアップで撮影してみました。(右写真)
・・・・・まさにドット絵です。
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その昔、PC−8001とかMSXとかで、BASICという言語で簡単なゲームプログラムを組んだりしていた頃のことです。
方眼紙を買ってきて、8×8とか、16×16で、それぞれの枡をどの色で塗るか考えて登場キャラクターや背景画面をつくったりしてました。
16×16=256の枡を埋めるだけで十分じゃまくさかったのですが、8万6千個とはねえ。
まことに、お疲れさまでございました。
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