移動メニューにジャンプ
(No49) 奈良国立博物館 「親と子のギャラリー 探検!仏さまの文様」&「特別陳列 国宝 子島曼荼羅」鑑賞記
このたび国宝の子島曼荼羅の精巧な模写が完成し、それを記念して奈良国立博物館で原本と模写とを特別展示すると知り、観に行ってきました。
そのちょいとした感想です。
また、夏休み企画なのでしょうが、文様にスポットを当てた特別展示がなされ、会場には、その展示物の文様の一部の写真を8枚並べ、それぞれどの展示物の文様かを当てさせるクイズ形式のイベントが行われていました。
1.「親と子のギャラリー 探検!仏さまの文様」 1 国宝 葡萄唐草文染韋(ぶどうからくさもんそめかわ) 奈良・東大寺 奈良時代 8世紀 76.7×66.7cm(以下、単位はcm)
一見すると、赤茶けた、ただの汚い布きれのように見えなくもない。鹿皮をなめし、文様部分を糊か蝋で描き、全体を松葉などでいぶして色をつけ、糊か蝋を落とすと(それでカバーされていた)文様の線が白く浮き上がるという技法らしい。
葡萄唐草文のほか、仙人や僧侶など人物も描かれている。
画像の一部は、奈良国立博物館だよりにて。
2 国宝 金鈿荘大刀(きんでんそうたち) 奈良・東大寺 奈良時代 8世紀 長さ97.8、68.0(二口)
画像は、リンク切れになるまでは、奈良国立博物館HPにて。また、画像は、奈良国立博物館だよりにて。
3 国宝 金銀鍍宝相華唐草文透彫華籠(きんぎんとほうそうげ からくさもん すかしぼりけこ) 滋賀・神照寺 平安〜鎌倉時代 12〜13世紀 径28.5 深さ4.0
華籠は、僧侶が花びらをまく散華(さんげ)という法要の際に、花を盛る容器。
4 国宝 金銅透彫舎利容器(こんどうすかしぼりしゃりようき) 奈良・西大寺 鎌倉時代 13世紀 高さ37.0
画像は、リンク切れになるまでは、奈良国立博物館HPにて。また、画像は、奈良国立博物館だよりにて。
7 国宝 牛皮華鬘(呂号)(ごひけまん ろごう) 奈良国立博物館 平安時代 11世紀 縦47.0 横54.2
これそのものではないですが、類品の画像は奈良国立博物館HP名品紹介「工芸」にて。
華鬘は、寺院の堂宇の柱や長押(なげし)にかける飾りで、当初は生花でつくられていたが、次第に革や木、金属などでつくられるようになった。
9 両界曼荼羅(りょうかいまんだら) 奈良・南法華寺 鎌倉時代 13世紀 縦159.7 横155.4
画像は、奈良国立博物館だよりにて。
10 国宝 誕生釈迦物立像・灌仏盤(たんじょうしゃかぶつりゅうぞう・かんぶつばん) 奈良・東大寺 奈良時代 8世紀 像高47.5 盤径89.2
画像は、リンク切れになるまでは、奈良国立博物館HPにて。また、画像は、奈良国立博物館だよりにて。
灌仏盤とは、いわゆる花祭り(正式には灌仏会=かんぶつえ。4月8日に釈迦の誕生を祝い、誕生時の釈迦の像に甘茶をかける)の際に甘茶を受ける盤。
この盤には、獅子に乗る人や、麒麟、鶴に乗る仙人などが刻まれている。
11 国宝 銀製鍍金狩猟文小壷(ぎんせいときんしゅりょうもんこつぼ) 奈良・東大寺 奈良時代 8世紀 総高4.5 胴径6.6
画像は、リンク切れになるまでは、奈良国立博物館HPにて。また、画像は、奈良国立博物館だよりにて。
表面全体に、小さい輪状の鏨(たがね)を槌でうって魚卵のような模様をつける「魚々子」(ななこ)という技法が使われている。
12 国宝 十一面観音像 奈良国立博物館 平安時代 12世紀 縦168.7 横89.7
画像は、リンク切れになるまでは、奈良国立博物館HPにて。また、画像は奈良国立博物館HP名品紹介「絵画」にて。
また、画像はチラシ及び奈良国立博物館だよりにて。
顔や手足に赤い隈取が施され、着衣(ちゃくえ)には截金(きりかね。細く切った金箔や銀箔で線や文様を描く技法)で飾られている。
13 重文 大仏頂曼荼羅(だいぶっちょうまんだら) 奈良国立博物館 平安時代 12世紀 縦125.5 横 88.5
画像は奈良国立博物館HP名品紹介「絵画」にて。
15 重文 地蔵菩薩立像 奈良・東大寺 鎌倉時代 13世紀 89.8
画像は、リンク切れになるまでは、奈良国立博物館HPにて。
快慶の作。衣に細かい彩色や截金が施されている。
16 国宝 法華経 序品(竹生島経)(ほけきょう じょほん ちくぶしまきょう) 滋賀・宝厳寺 平安時代 11世紀 縦26.3 横10.0
画像は、奈良国立博物館だよりにて。
琵琶湖の竹生島に伝わったもので、竹生島経の愛称を持つ。金と銀の絵の具で蝶・鳥・鳳凰・草花・雲などを描き、その上から経文が書かれている。
19 法華経 妙音菩薩品(ほけきょう みょうおんぼさつほん)
大阪・施福寺 鎌倉時代 12〜13世紀 縦23.5 横134.4
画像は、リンク切れになるまでは、奈良国立博物館HPにて。
様々な色に塗った上に雲母(うんも。真珠のような光沢のある鉱物。「きら」ともいう)や白い絵の具で文様を摺り出した「唐紙」(からかみ)を用いている。
2. 「特別陳列 国宝 子島曼荼羅」
当日の図録の「ごあいさつ」から「奈良県高市郡高市町の子嶋寺(こじまでら)に伝来する国宝 紺綾地金銀泥絵両界曼荼羅図(こんあやじきんぎんでいえりょうかいまんだらず)は、平安時代に遡る両界曼荼羅の代表作として「子嶋曼荼羅」の名で世に広く知られています」とある。
今回の特別陳列は文化庁による復元模写が完成した記念で、原本と模写を並べて陳列するものである。
よく金銀泥で1行ごとに金と銀で交替に書かれた経文で、銀字の部分は色褪せて黒くなってしまい、金字の行だけが残り、何だか1行置きのスカスカの経文みたいなのが展示されている。
それほど銀泥は退色しやすいということだろう。
それだけに、今回の復元では銀泥で描かれた部分に大きな発見があったとのことである。
画像は奈良国立博物館だよりにて。
どうもお疲れ様でした。
|