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(No169) 奈良国立博物館 第62回 正倉院展 鑑賞記 その3


 平成22年11月8日に行った時の鑑賞メモの続き(完結)。

 

 


6.【暮らしを伝える品々】

45.(やりがんな)  南倉 

 両手で柄の両端を持って手前に引き、木材の表面を削って平らに整形する道具。

 読売新聞特別号より。

 

 ヤリのようなヒノキ材の棒の先に、内側に反った柳の葉の形をした鉄製の両刃を付けている。

 

 

 

 

 

 

47.刀子(とうす)  南倉

 兵馬俑の文官の腰にも下がっている。それは文書を削る「消しゴム」代わりの文房具だが、本品はもっと実用的な小刀と推測されている。

 

53〜57. 雑札(ざっさつ)  中倉 

 54は、写経生に貸した筆の返還を求める文書であった。「紙」は貴重品だったので、日常的な伝言のメモには木の札に書き、清書で初めて「紙」に書いたようだ。しかも、その紙も、事務的な文書は写経に用いた紙の反古をよく用いていた。

 画像はここここで。

 

 


7.【装飾紙】

58−1.色麻紙(いろまし)  中倉

 5色の紙がそれぞれ5枚ずつセットになって、4セット束ねられ(つまり計100枚)、ぐるっと丸められ、巻物のような形状の上下に帯封がしてある。

 展示品では「忍術の巻物」のような形のもので、一つの色が5枚ずつで次の色に変わり、5色で一巡してまた繰り返す・・・・というグラディエーションが美しい。

 

58−2. 色麻紙(いろまし)  中倉 初出陳

 巻いてない形。 

 

60−3.吹絵紙(ふきえがみ)  中倉 初出陳


 小学校の頃、紙で何かの形を切り抜いて、霧吹きで色水を吹いて絵模様を出したりしたが、その技法で描かれた紙。


 

 


8.【文書】


61.正倉院古文書正集 第九巻(しょうそういんこもんじょせいしゅう)  中倉

 中身の「左京職正税帳」は財政上の決算書。「右京計帳」は課税台帳。

 

65.正倉院古文書正集 第七巻(しょうそういんこもんじょせいしゅう)  中倉

 「東大寺牒」「法師道鏡牒」など。少僧都良弁や法師道鏡の自筆の署名がある。

 画像はここここで。

 

66.続々修正倉院古文書 第五帙第四巻(ぞくぞくしゅうしょうそういんこもんじょ)  中倉 初出陳

 苦参という植物を原料とする紙を用いている。

 

67.続々修正倉院古文書 第十五帙第九巻(ぞくぞくしゅうしょうそういんこもんじょ)  中倉 

 大唐和上(=鑑真)や法花寺、山階寺(=興福寺)の字句が見える。 

 

 


9.【聖語蔵の経巻】

70.瑜伽師地論 巻第八(ゆがしじろん)  聖語蔵

 光明皇后が亡き父母のために発願した天平十二年(740)の奥書を持つ一切経(五月一日経)。

 画像はここから。

 

 

 


 

 お疲れ様でした。

 
 
  

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