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(No169) 奈良国立博物館 第62回 正倉院展 鑑賞記 その3
6.【暮らしを伝える品々】 45.鉇(やりがんな) 南倉 両手で柄の両端を持って手前に引き、木材の表面を削って平らに整形する道具。
47.刀子(とうす) 南倉 兵馬俑の文官の腰にも下がっている。それは文書を削る「消しゴム」代わりの文房具だが、本品はもっと実用的な小刀と推測されている。
53〜57. 雑札(ざっさつ) 中倉 54は、写経生に貸した筆の返還を求める文書であった。「紙」は貴重品だったので、日常的な伝言のメモには木の札に書き、清書で初めて「紙」に書いたようだ。しかも、その紙も、事務的な文書は写経に用いた紙の反古をよく用いていた。
7.【装飾紙】 58−1.色麻紙(いろまし) 中倉 5色の紙がそれぞれ5枚ずつセットになって、4セット束ねられ(つまり計100枚)、ぐるっと丸められ、巻物のような形状の上下に帯封がしてある。 展示品では「忍術の巻物」のような形のもので、一つの色が5枚ずつで次の色に変わり、5色で一巡してまた繰り返す・・・・というグラディエーションが美しい。
58−2. 色麻紙(いろまし) 中倉 初出陳 巻いてない形。
60−3.吹絵紙(ふきえがみ) 中倉 初出陳
8.【文書】
中身の「左京職正税帳」は財政上の決算書。「右京計帳」は課税台帳。
65.正倉院古文書正集 第七巻(しょうそういんこもんじょせいしゅう) 中倉 「東大寺牒」や「法師道鏡牒」など。少僧都良弁や法師道鏡の自筆の署名がある。
66.続々修正倉院古文書 第五帙第四巻(ぞくぞくしゅうしょうそういんこもんじょ) 中倉 初出陳 苦参という植物を原料とする紙を用いている。
67.続々修正倉院古文書 第十五帙第九巻(ぞくぞくしゅうしょうそういんこもんじょ) 中倉 大唐和上(=鑑真)や法花寺、山階寺(=興福寺)の字句が見える。
9.【聖語蔵の経巻】 70.瑜伽師地論 巻第八(ゆがしじろん) 聖語蔵 光明皇后が亡き父母のために発願した天平十二年(740)の奥書を持つ一切経(五月一日経)。 画像はここから。
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