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(No166) 京都国立博物館 特別展「上田秋成」鑑賞記 その3


 平成22年8月に行った時の鑑賞メモ・・・・の続き。

 併設されていた「新収作品展」と「古代の輝きを求めて」の鑑賞メモ。

 


特集陳列 新収作品展

4 明皇・貴妃図屏風 上田秋成筆 文化5年(1808) 天理大学附属天理図書館

 画像はここで。うち楽人の拡大図についてはここから。

 蛇足ながら、明皇とは唐の玄宗皇帝、貴妃とは楊貴妃のことである。

 

7 蹴鞠寿老図 曽我蕭白筆 江戸時代中期

 画像はここから。

 蹴り上がった球をのけぞって見上げてる構図(京博だよりでは「まるでイナバウアーのように、長い頭を思い切り後ろにのけぞらし」と表現してるが、それはややオーバーかとも感じる)がユニーク。

 

8 東錦絵西南役日清戦争 浮世絵版画集 歌川国芳ほか作 江戸時代末期〜明治時代 川田泉氏寄贈

 稲光に浮かび上がったようなアングルが現代的センスを感じさせ、かっこいい。

 

25 紫藤飛燕図 汪「王+昆」筆 須磨良子氏寄贈

 単純に紫色の藤の房が美しかった。

 

26 紺碧葡萄図 方洛筆 須磨良子氏寄贈


 かなり小粒なんで単に葡萄というよりブルーベリーを連想させる。

 

54 油彩「牛」 重松岩吉筆 須磨良子氏寄贈


 こちらのコーナーには重松氏の作品が並ぶ。細かく人体部位を別個に描く手法が独特の味わいをかもし出していた。 

 

 

 

 

 


研究成果特別公開 「古代の輝きを求めて」

 

 画像については、ここ

 要は緑青などに覆われた古代の青銅鏡を、レーザ光による3次元デジタイザで高精細な位置情報だけを特化して集めて再現した姿と比較してみようという試みである。

 画像でも同じ鏡を人間の目、つまり展示品をそのまま観ている姿と、3次元デジタイザで再現した姿とを並べて比較している。

 で、正直私がどう感じているかというと、3次元デジタイザ技術で現代の私たちの眼では判別できないものを提示してくれるならそれは有り難いことだが、全般的には人の眼の方がええなと思う。

 錆びていようと、何だろうとそれが現代に伝わった姿。
 (デジタル技術により)制作当初はこんなに黄金色に輝き、文様も鮮明だったというのが分かったとすれば、それは確かに史料的価値は大いにあるだろう。

 しかし、現在の私どもにとっては緑青でぐちゃぐちゃになっていようと、それが今の私たちに伝わっている姿であるなら、それをそのまま受け容れざるを得ないのではないかと私は思う。(この研究が、現代に伝わった「美」を否定しているわけではないのはもちろん分かっている)

 

 


 お疲れ様でした。

 
 
  

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