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(No163) 京都国立博物館 特別展「長谷川東伯」鑑賞記 その2


 平成22年4月に行った時の鑑賞メモの続き(完結編)。

 


第5章 信仰のあかし 〜 本法寺と等伯 〜


(右写真は、会場)


48 重文「仏涅槃図」 長谷川等伯筆 慶長4年(1599) 京都・本法寺蔵

 上記作品は、リンク切れになるまでは京博HPのここから(「展示作品紹介」をクリック)。または、ここから。

 等伯は愛息であり後継者としても期待されていた久蔵を失う。親族供養のために描かれた本作は、縦10mもの巨大な絵であり、そこに費やされたエネルギー、執念から彼の悲嘆の量を思い知らされる気がする。

 

 


第6章 墨の魔術師 〜 水墨画への傾倒 〜



58 重文「四愛図座屏」 長谷川等伯筆 慶長4年(1599) 京都・本法寺蔵

 「四愛」というと、林和靖、周茂叔、黄庭堅、陶淵明がそれぞれ梅、蓮、蘭、菊を愛した故事に基づく絵。

 会場では、これが誰・・・という解説はなかったが、左側が細い枝の木が描かれていたので梅だろう。花も近寄ってじっくり観たら描かれているのが分かったかもしれないが、ちょっと判別できなかった。

 また、右側の絵は、画面右下に白い花がいくつか描かれていたので「愛菊」だと思う。



59 「豊干・寒山拾得図座屏」 長谷川等伯筆 京都・妙心寺蔵

 座屏とは背の低い屏風(衝立)のことだと思う。

 右側の座屏には、虎にまたがった豊干が、左側の座屏には豊干を迎えようとしている寒山拾得が描かれている。
 拾得(かな?)なんざ、手にしていた箒を地面に落とし、その上に乗っちゃうほど「豊干ウェルカム」気分全開である。

 

63 重文「蜆子猪頭図襖」 長谷川等伯筆 慶長6年(1601) 京都・真珠庵蔵

 禅宗の「蜆子」和尚は、蜆や海老を採って食べていたし、「猪頭」和尚は名のとおり猪(=豚か)の頭が好物だったとか。

 蜆子和尚は、左手に蜆をとる網カゴのような物を持ち、右手に海老を持ってかじっている。分かりやすっ!!

 猪子和尚も横むいてにっこりしてるんだが、よく見ると、足元に猪の頭が転がっている。わ、分かりやすっ!!!!

 

66 重文「商山四皓図襖」 長谷川等伯筆 慶長7年(1602) 京都・天授庵

 枝の異常なばかりの屈曲ぶりが印象的。

 

71 重文「枯木猿猴図」 長谷川等伯筆 京都・龍泉寺蔵

 上記作品は、リンク切れになるまでは京博HPのここから(「展示作品紹介」をクリック)。または、ここから及びここから。

 ふわふわした毛並み、顔の真ん中にあつまった可愛い目鼻立ち。この絵の前で観ていた人々の表情は、どれもほっこりしていたような気がする。

 

72 「竹虎図屏風」 長谷川等伯筆 東京・出光美術館蔵

 猫みたいな仕草の虎。ここのHPが一部の画像を載せている。「狩野派の誰それの真筆」ということが屏風に書かれているが、等伯のものに間違いないと会場の解説文にあった。

 

75 重文「烏鷺図屏風」 長谷川等伯筆 千葉・川村記念美術館蔵

 上記作品は、リンク切れになるまでは京博HPのここから(「展示作品紹介」をクリック)。または、ここから。

 実は、私は後期に行ったので、本作は観ていない。

 


 

第7章 松林図の世界



76 国宝「松林図」 長谷川等伯筆 東京国立博物館蔵

 上記作品は、リンク切れになるまでは京博HPのここから(「展示作品紹介」をクリック)。または、ここから。

 霧を描かずして、描いているといわれるようだが、それも手前の松の濃墨が効いているからではないだろうか。

77 「月夜松林図屏風」

 上記「松林図」の月夜バージョン。左側の絵の画面左上隅にぼやぁ〜っとした満月。「松林図」全体にソフトフォーカスのフィルターをかけたようだ。
 東伯筆と書かれていないのは、全体に「松林図」に比べキレが悪いので、本人ではなく周辺の弟子か誰かの作と考えられているらしい。

 上記作品は、リンク切れになるまでは京博HPのここから(「展示作品紹介」をクリック)。または、ここから。

 


 質、量ともに堂々たる没後400年回顧展なのだが、以前の「法華」関係に出展されていたものも混じっているので、妙にデジャブ感のある展示会であった。

 

 お疲れ様でした。

 
 
  

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