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(No154) 京都国立博物館 特別展「THE ハプスブルク」関連土曜講座 「明治天皇からの贈り物 画帖と蒔絵と金魚鉢」聴講記 その5 平成22年1月23日(土)に、上記講座を聴きに行った時のメモの続き(完結編)。
講師:永島明子(めいこ)氏 京都国立博物館 学芸部工芸室 主任研究員
11.再び、イギリスへの贈り物について
先ほど日本からイギリス王子に贈った贈答品のリスト。そして、王子に贈られた画帖の内容。 そしてゴータに残る画帖。また、ゴータの美術展の図録に載っている槍や箪笥などの写真、また、その図録に挿絵のように載っている絵などを見てもらいました。 それでは、ゴータの美術展の図録に載っている他の美術品についても見てもらいましょう。
また、画帖の構成ですが、まず、狩野派の董川の絵が選ばれ、次に町絵師の國貞などの絵が選ばれています。
12.その他の外交上の贈答
また、中国では故宮に残る日本からの文物の展覧会があったのですが、その時の図録(『故宮蔵日本文物展覧図録』)にあった絵を見てみましょう。 (画像を表示) 国際贈答品の画帖というのは、その当時の日本が、世界の国々に対し、日本の文化を紹介するために選んだものです。 中国のほかにもドイツやロシアに画帖が贈られているようです。世界のいろいろな国で日本の画帖が今後見つかるかもしれません。 もちろん、ウィーンの(オーストリアに贈った)画帖とゴータの(イギリスに贈った)画帖の存在が知られるだけでも140年かかりました。 ゴータの画帖の詳細についても、まだ調べていません。現地に行くのも、先立つもの(石野註 もちろん調査のための予算のことだろう)がないのです。 でも、もし、今後、そうした世界の画帖の存在が分かるようになったら、この土曜講座で、本日の続編をしたいな、と思っています。本日はありがとうございました。
最後に1問だけ質疑応答があって、「オーストリアにはイギリスが情報を流していた、という話があったが、当時は電話とか普及していなかったと思うが、どうやって伝えたのか?」という質問があり、デンマーク国立電信会社が「電信」を売り込みに来ていたようだが、もちろん普及していなかったので、もっぱら船便が頼りだった。 実に素晴らしい講演だった。永島先生には深く感謝したい。
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