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(No131) 大阪市立東洋陶磁美術館 企画展「酒器に酔う 東アジアの酒文化」同時開催 平常展 鑑賞記 その1

 平成20年12月23日(火)に、標記企画展を観に行った。その際、同時開催されていた平常展を、ボランティアガイドの方の案内で見せていただいた。

 ボランティアガイドのYさん(女性)にご案内いただいたのは、企画展以外の平常展部分。
 


  25年ほど前にいわゆる安宅コレクションが住友に移管され、大阪市に寄贈されました。
 約1000点のコレクションのうち、韓国陶磁器が約850、中国陶磁器が約150。その他日本の陶磁器等は数点です。

 この大阪市立東洋陶磁美術館は、その他の博物館や美術館と異なり、「コレクション」が先ずあって、それに合わせた展示施設が建設されたというのが特徴です。

 韓国陶磁器を展示するスペースでは暗めで静かな雰囲気、中国陶磁器を展示するスペースは天井が高くつくられています。

 韓国の陶磁器は翡色(ひしょく)という色合いが特徴となっています。

 また、韓国の陶磁器の大きな特徴は象嵌(ぞうがん)という技法です。これは韓国独自の技法で、日本や中国の陶磁器にはみられません。陶器面に白土や赤土をはめこんで、文様にしています。

 

 


 
安宅コレクション 韓国陶磁・高麗

青磁象嵌 菊牡丹文 鶴首瓶 高麗・12C中葉 h:33.3

解説はここで。

青磁 砧形瓶(せいじ きぬたがたへい) 高麗・11〜12C h:21.6

解説はここで。
重美 青磁彫刻 童女形水滴 高麗・12C前半
h:11.1
解説はここで。
青磁彫刻 童子形水滴 高麗・12世紀前半 h:11.0

解説はここで。

(Yさんの解説)
 この水滴は、前の館長さんが非常に好んでおられたものです。
 釉がたまっている所の色合いが素敵だと思います。


 

青磁陽刻 蓮花文 梅瓶 高麗・12C前半 h:32.1

解説はここで。

青磁白堆 雲文 梅瓶(せいじはくつい うんもん めいぴん) 高麗・13C
(Yさんの解説)
 韓国陶磁器は、古い時代のものは素文で、だんだん文様が派手になっていきます。

 また、梅瓶(めいぴん。肩のところが張った形の瓶)は、古い時代のものはカーブが緩やかですが、時代が下るにつれカーブがきつくなっていきます。

 韓国陶磁器は、12世紀後半頃から社会の不安を映すように色がややくすんできます。

青磁 練上碗 高麗・12C中葉 d:14.0 

解説はここから。
(Yさんの解説)
 練上(ねりあげ)というのは、色の異なる土を練り上げて文様にしたものです。完全に混ぜきると一つの色になってしまうので、その寸前で止めています。
 こうした練上は収縮率の違う土を混在させているため、焼くと壊れやすく、こうしたきれいな形で残すことが難しい技法です。
青磁象嵌 梅瓶 黒釉 瓢形瓶 高麗・12世紀 h:38.9 

解説はここから。 
青磁鉄絵 宝相華唐草文 梅瓶 高麗・12C h:28.2

解説はここで。

鉄釉 如意頭文 瓶 高麗・12〜13世紀 h:34.0  

解説はここで。

青磁 鉄地象嵌 草花文 梅瓶(せいじてつじぞうがん そうかもん めいぴん) 高麗・12世紀前半 h:28.4

解説はここから。

青磁象嵌辰砂彩 牡丹文 鶴首瓶(せいじぞうがん しんしゃさい ぼたんもん かくしゅへい) 高麗・13C前半 h:34.5

解説はここから。

(Yさんの解説)
 これは地が黒いので「え?青磁?」と思われるかもしれませんが、青磁の釉がかけられているので、作品名としては「青磁〜」ということになります。

(図録解説)
 鉄地青磁を俗に「黒高麗」と呼ぶ。素焼きした器体の表面に鉄泥を塗りつめ、その上から青磁釉をかけ焼き上げている。
青磁象嵌辰砂彩 牡丹文 壺 高麗・13C h:19.5

解説はここから。

青磁白堆 条線文 輪花形盞・托(せいじはくつい じょうせんもん りんかがたせん・たく) 高麗・11〜12C 
(Yさんの解説)

 高麗青磁は、あまり色彩を用いませんが、唯一あるのが赤の色で、これは銅を用います。銅は温度調節が難しく、きれいに発色させるには高い技術がいります。

(図録解説)
 地味な感じのものが多い高麗青磁のなかでも辰砂彩は例外的に華やかなものである。酸化銅を主成分とする彩料で装飾を加える。
 辰砂を直接青磁素地に塗る手法、辰砂を器表全面に塗りつめる手法の遺例はごく少なく、多いのはこの瓶のように白象嵌の上に彩料を重ねて置く手法である。

 

 

青磁 輪花鉢 高麗 安宅

 

 



  


 どうもお疲れ様でした。

 
  

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