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アジア映画れびゅう(60) 「ドラゴン  ブルース・リー物語」  

(ご注意)思い切りネタばれです。まだ観てなくてストーリーを知りたくない人は、お気をつけください。
 
また、記憶違いなども多いでしょうが、ご容赦ください。

 




(ストーリー)

 若き日のブルース・リーは、単身アメリカに渡り、人種差別と戦いながらリンダと結婚、拳法の道場を開いていた。 
 しかし、白人や黒人に中国拳法を伝授することを中国伝統社会の長老たちに批判され、卑怯な手段で怪我を負わされる。

 病院のベッドで寝たきり状態になり自暴自棄になるリーだったが、妻リンダの励ましで奮起、自らの武術理論をまとめて出版する。

 ある武術大会で自ら創始した截拳道(ジークンドー)のPRをしていた時、観衆の求めで実技を披露したところ、プロデューサーの目にとまり、TVドラマ「グリーン・ホーネット」の助手カトー役を得る。

 彼は銃を持たずカンフーを武器とする新しいヒーローの物語を企画するが、主演はできなかった。

 失意の彼は、父の死の報に接し、香港に帰る・・・・・・・・・・。

   

 
 


(あれこれ)
 
(1) リハビリ リーさん

 「外国人にカンフーを教えるのはやめろ」と言われ、従うかどうかはカンフーの勝負でつけることになったという設定。

 黒い中国服を着た数人の長老たちが立ち会う中で、髪の毛ザンバラ(長州力みたい)な男と勝負することになる。いったん相手は「まいった」して、リーは「誰に教えるかは、俺の好きにさせてもらう」と宣言し、その場を去ろうとするのだが、その男が卑怯にも後ろから飛び蹴りをかました。

 次のシーンでは、リーは、回転ベッドに固定されている。いや、回転ベッドといっても、○○ホテルにあるような水平に回転するやつじゃなくて、自動車のタイヤとか、リスの檻の中の踏み車みたいに垂直方向に回転するやつ。
 「牽引」療法をするのにベッドの角度を傾けたりするが、そうゆうベッドなんだろうか。

 すっかり自暴自棄になり、妻リンダにも「出て行け!」と吐き捨てる。泣きながら病室を飛び出していく妻。

 で、ふと、目を開けると、真下に妻の顔が見える。
 
 つまりベッドが180度回転している。ベッドの上で仰向けになってたリーが、今は下を向いてる状態。で、そこへリンダが戻ってきて、ベッドの下で仰向けになっているのだ。

 リンダはメモを取り出し、「身体は動かなくても、しゃべることはできるでしょ?」。気を取り直したリーは、自らの武道に関する考えを語り始める。ここは、なかなかいいシーン。


(2) 見いだされるリーさん

 妻の励ましで、元気を取り戻したリー。ブランドンという長男も生まれる。書き進めた武道の本も出版された。

 ある武術大会。リングの上でリーはマイクを持ち、私の考案した截拳道ではお決まりの型などは必要ないのだとかPRしていると、理解できない観衆は「実戦で証明してみせろ」と大ブーイング。
 挑発されたリーは「どんな武術家でも1分以内に倒してやる」と答え、リングに上がってきたのは、以前に彼に重傷を負わせた男だった。

 彼を倒したリーに着目したハリウッドのプロデューサーが、「グリーン・ホーネット」で主人公を助ける日本人助手カトー役に抜擢する。

 Wiki によると、66年のロングビーチ国際空手選手権大会で截拳道の演武をしたのが目にとまったとあった。
 また、私は学生時代、ブルース・リーは国際的な武道選手権大会で優勝した。彼はアクション俳優だけでなく、実際に武道でも世界チャンピオンなんだというような紹介記事を読んだ記憶がある。
 まあ、この辺の事実関係がけっこうごっちゃになって報道されているんだろう。

(3) 失意後、大ブレイクするリーさん

 彼はプロデューサーに「銃を持たずカンフーを武器とする新しいヒーロー」物語の構想を語る。ついにそのドラマ化が実現し、リーはそのフィルムを鑑賞する。しかし、主演:デビット・キャラダインというクレジットが。
 まだまだ無名の中国人が主演では、ドラマ化が認められなかったのである。
 なお、この「燃えよカンフー」は昔、TVで観たことがある。何か陰気な感じのドラマだった。

 気落ちしたリーは、父の死で香港へ帰国する。そんな彼に「『グリーン・ホーネット』を『カトー・アワー』と呼んで熱狂的に支持している中国人がいるんだ」と映画出演を誘う。

 タイでロケされたのが「ドラゴン危機一発」。
 マカオの映画館での上映初日。リーとリンダも席に座っていた。
 映画が終る。観客は誰一人、身じろぎもしない。何の反応もないことに居たたまれなくなって、リンダの手を取り、こっそり逃げ出そうとしたリー。
 と、その時、一人の男が感涙を拭おうともせず、思い切り拍手を始めた。すると、周りも堰を切ったようにスタンディング・オベーションの嵐に。

(4) 幻想 リーさん

 「燃えよドラゴン」で待望のアメリカへのリベンジが果たされることになった。

 撮影中の幻想として、鏡の部屋のシーンから、自分の遺影や没年月日が記された墓を目撃したり、息子を襲おうとする悪霊にヌンチャクで立ち向かう場面などが出てくる。
 なお、息子ブランドン・リーもその後、俳優になったが映画の撮影中事故死しているそうだ。

 この映画は、「燃えよドラゴン」の敵ハンの城で大勢の人間が空手着を着て、型をやっているシーンで終る。より正確に言うと、その場にリーがやってきて、型をやっていたエキストラたちがリーに礼をする。夕陽をバックに型を披露するリーがシルエットとなり、「彼の最後については、いろいろと取り沙汰されましたが・・・・・」という妻リンダのナレーションで終るのである。まあ、真相はよくわからないし、妻リンダによる伝記が原作だから、その辺のスキャンダラスなことはもともと書かれていないだろう。その辺はあっさりした描き方でよかったのでは?と思う。

 「ドラゴン危機一発」の撮影最終日に、かつて重傷を負わされ、その後リベンジを果たした男の弟がやって来て「兄は、あれ以来起き上がることもできない。お前を殺してやる」と襲い掛かり、製氷工場の電動ノコであわや頭を両断されそうになるところを辛くも逆転した・・・・・・なんてシーンもあり、さすがにこれは「演出」だろうが、まずまずリーへの敬意が払われていて、なかなか爽やかな印象を得た。

 


(資料)
『ドラゴン  ブルース・リー物語』   DRAGON  THE BRUCE LEE STORY

1993年 アメリカ作品
監督:ロブ・コーエン

 
主演 役名 俳優
ブルース・リー:李小龍 ジェイソン・スコット・リー
リンダ:リーの妻    ローレン・ホリー
ビル・クリーガー  ロバート・ワグナー


★★★


 お疲れ様でした。

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