アジア映画れびゅう（５２）　「ゴッドギャンブラー　賭聖外伝」  

（ご注意）思い切りネタばれです。まだ観てなくてストーリーを知りたくない人は、お気をつけください。
　また、記憶違いなども多いでしょうが、ご容赦ください。

（ストーリー）
　中国本土から、香港のタット叔父さんを訪ねてきたシン。
　タットは、同じアパートの住人と麻雀ばかりしているバクチ打ちだった。
　何と、シンはカードの透視などができる超能力者だったので、タットは彼を世界ギャンブル大会に出して大もうけしようと目論む・・・・・・。

（あれこれ） 　何でも周潤發（チョウ・ユンファ）主演の「ゴッド・ギャンブラー」のヒットにあやかって作れられたパロディで周星馳（チャウ・シンチー）の出世作らしい。

　それはそうと、チャウ・シンチー（右上写真）は漫才ますだ・おかだのますだ（左上写真）に少し似ていると思う。

　シンの眼がキラッ！と光ると透視ができる。この能力を利用して賭場で荒稼ぎをしたものだから、ヤクザ達に追いかけられる。
　逃亡途中でシンは謎の美女イーモンの車に乗せてもらう。ところがイーモンも別のヤクザに追われて逃亡中だった。
　シンは彼女に一目惚れ。ヤクザをやっつけ、いいところを見せようと張り切るが、イーモン、強い、強い。おまけに、彼女を助けに来た仲間の男も強く、結局、二人でヤクザを片付け、さっさと去ってしまう。

　ギャンブル大会で順調に勝ち進むシンだが、イーモンがいなくなって極端に落ち込んでしまう。
　タットが、壁にイーモンの写真を掛け、イーモンも年を取ればあごの線も変わる、鼻もぺちゃんこになるんだ・・・・・とモンタージュ写真みたいにパーツを変えていくと、同じアパートに住む、ホステスか何かをやってるビンの顔へ。
　そこへ登場した彼女に「イーモン・・・」と迫りかけ、さすがにハッと我に返ったシンだが、視線が彼女の脇の下に釘付けになった。
　初めて出会った時、イーモンの右脇の下（というか腕の付け根）の大きなホクロが印象的だったのだが、ビンにもたまたま同じ所にホクロがあったのだ。
　シンは彼女とデートに出かけるが、彼女はエレベータの中も高級レストランでも右腕を後頭部に当て脇の下をさらしているものだから、好奇の目にさらされる。だって、腕をおろすとシンは我にかえってしまうのだ。
　右手を上げっぱなしだから、彼女は料理が食べにくい。顔を横に向けて皿に口をつけて肉にかぶりつく。しかし、シンはおかまいなしで、とろんとした表情でホクロに話しかけ、フォークに刺した料理を食べさせようとする。へ、変態というか、重度のホクロフェチというか。

　いよいよ香港代表との決勝戦。ところがシンは会場に姿を現さない。焦るタット。怒る台湾マフィアの親分。シンは台湾代表として契約しているので負けると大損するのだ。タットに「シンが来なかったら、お前を去勢するからな」と脅す。
　タットは子分に「できるだけ鋭利な刃物で頼むよ。その方が痛みが少ないからな」と哀願するが、子分は表情も変えず「ハンマーだ。潰すのさ」。

　しかしシンはギリギリにやって来た。「ゴッドギャンブラー」の周潤發風のいでたちで、重厚なＢＧＭで、ゆっくりと歩を進める。（この「スローモーション」は、映画「ゴッドギャンブラー」の周潤發のパロディで、多用されている）
　
　しかし、イーモンのことが心配で超能力が使えない。透視できなければ勝ち目はない。シンは最初から全額勝負に出た。
　相手方は、さすがにそんな馬鹿な冒険はできないので、慎重におりた。シンは毎回、全額勝負。制限時間が迫ってきた。

　いよいよ最後の勝負。シンは４枚目まででＡのスリーカード。香港代表はフラッシュ。

　さて５枚目。相手はフラッシュ完成。シンは４カードにならないと勝てない。しかし、５枚目はカスだった。
　５枚目のカードを両手の間に挟み、念を込める。シンは、最大限の超能力を発揮すると、数字も変えることができるのだ。（前のシーンで、子どもの手術費用に困っていた人のため、馬券の数字を変えてやったことがあった）
　香港マフィアに捕らえられていたイーモンも救助され、会場に姿を現した。シンの超能力も復活！体からあふれ出るオーラ。
　自信まんまんでカードを卓上に叩き付ける！
　しかし、カードは変わっていない！吉本新喜劇のような、派手なズッコケ！

（ネタバレ）
　しかし、やはりシンの超能力は復活していて、相手方のカードをスペードのエースに変えていた。相手はフラッシュがなくなり、惨敗！

　「タット叔父さん」と名前を呼ばれると、錯乱状態になるのが最初から最後までギャグで使われる。
　その他、小ネタも多く、本家周潤發「ゴッドギャンブラー」よりもヒットし、周星馳ブレークのきっかけになったというのも肯ける。

（資料）
１９９０年　香港作品
監督：劉鎮偉（ジェフ・ラウ）

主演	役名	俳優
	シン	周星馳（チャウ・シンチー）
	タット	呉孟達（ン・マンタ）
	イーモン	張敏（チョン・マン）
	ビン	呉君如（サンドラ・ン）
	香港代表	秦沛（チョン・プイ）

★★★☆

　お疲れ様でした。