移動メニューにジャンプ

アジア映画れびゅう(43) 「アザーファイナル」  

(ご注意)思い切りネタばれです。まだ観てなくてストーリーを知りたくない人は、お気をつけください。
 
また、記憶違いなども多いでしょうが、ご容赦ください。


「アザーファイナル」

(ストーリー)
 2002年の日韓共同開催のワールドカップ。毎回優勝候補の一角と噂にのぼるオランダがまさかのヨーロッパ予選敗退をしてしまった。
 オランダ代表のディヨング選手は、無聊を慰めるうちにFIFAランキングを眺めるうちに聞いたこともないような国がたくさん並んでいることに気付く。
 そして、FIFAランキング202位ブータンと203位(最下位)モントセラトとの試合、いわば裏ワールドカップ決勝戦を思い付き、両国のサッカー協会に連絡を取った・・・・・。

(あれこれ)
 正月前後のTV深夜放送で観た。

 ブータンというと、私にとっては、そこそこサッカー大国。
 「ザ・カップ 夢のアンテナ」という映画を以前に観たせいかもしれない。

 モントセラトというと、カリブ海の小国らしいのだが、正直名前も知らなかった。火山の爆発でかなり国家的なダメージを受けたらしい。 

 サッカーみてると、モントセラトは中南米らしいというか、なかなかノリがいい感じだ。 

 ブータン危うし!と感じた私であった。

アザーファイナル

 さて、いよいよ裏ワールドカップ決勝の日が近づく。

 ところが、次々に異変が起こる。ブータンの監督が急死するやら、モントセラトの監督が内ゲバで辞任するやら、(試合はブータンで開催されるのだが)ブータンに向かうモントセラト選手団が、到着するまでえらいこと苦労するやら、着いたら着いたで、みんなお腹こわしてえらいことになるやら、そりゃもう、大変であった。


 試合自体は4−0でブータンの圧勝であった。ブータンはかなりの高地だから、地元ならではの地の利があったのではないだろうか。

 ばんばんゴールを決められてモントセラトのGKはたそがれちゃうは、犬はのんびりと試合会場を闊歩するは、でなかなかおもしろかった。

 ブータンの主将、ドルジは結局ハットトリックであった。

 優勝カップ授与シーン。カップはぱかっ!と二つに分かれた。勝者も敗者も共に喜びを分かち合うということなのだろうか。

 各シーンの狂言回しの役をつとめるのは、白いサッカーボールである。真っ白だから、まるでバレーボールみたいだ。「真っ白」というのは、スポンサーが付いていないことを象徴しているようだ。

 監督のクレイマーは、アディダスやナイキなどのCMを担当した敏腕監督だが、映画の演出はこれが初めてだったらしい。さすがにテンポが良い。さりげなく、大メーカーは自社のCMには巨額を投ずるが、この映画には一文も出してくれなかったということを表現している。
 たとえ数百万円でも出していれば、このような扱いはなされなかったであろう。そこそこ国際的にも売れたこの作品で、小国には見向きもしないがめつい大メーカーという扱いをされたマイナスイメージを考えるなら、同社の担当者は切歯扼腕しているのではないか? 

 あ、それと「ブータン」が出たんで「アジア映画」に出しちゃったが、オランダ作品なんだよな・・・・・。



(資料)
2002年 オランダ作品
監督:ヨハン・クレイマー
主演 ウォンゲル・ドルジ ブータン代表


★★★☆



←前のページへ 次のページへ→
「アジア映画」メニューに戻る
トップページに戻る

inserted by FC2 system