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アジア映画れびゅう(4) 「天地黎明」、「天地大乱」
 

(ご注意)かなりネタばれです。まだ観てなくてストーリーを知りたくない人は、お気をつけください。
 
また、記憶違いなども多いでしょうが、ご容赦ください。


「天地黎明 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」

(ストーリー)
 オープニング、船上で例の獅子舞(眼をパチパチするやつ)を披露するウォン・フェイフォン。ヒゲの軍人から、自警団形成を託される。その軍人、リュウとだけ字幕に出てくる。「フランスと戦いに、ベトナムに行く」とか、「黒旗軍」という単語から、この軍人は劉永福と思われる。(実在の黄飛鴻も、劉永福と関係があった)

 梅県からの流れ者フーとごろつき沙河幇の連中とのいさかいに巻き込まれるウォンたち。
 街角でアメリカ移住を呼びかけるアメリカ商人ジャクソンは、一攫千金を夢見た中国人たちを食い物にする奴隷商人であった。沙河幇の首領は、ジャクソンと手を結び、イーさんを船内に拉致し、乱暴しようとする。
 救出に来たウォンの行く手を、自分の名前を売るためにウォンを付け狙っていた武道家鉄壁のイェンが阻む・・・

(あれこれ)
 ユン・ピョウがウォンの弟子フー役で出る。私の感覚では、ユン・ピョウというと、ジャッキー・チェン(成龍)の、ほぼ同格の弟分。よく助演で出たなあ、と思う。
 敵役のところへ弟子入りしたりして、複雑な経路をたどるが、最後の最後で正式にウォンに弟子入りする。その時「俺がイーさんと結婚したら、ウォン先生の叔父さんになるから・・・・・先生に命令できる!」なんて不遜なことを考えていた。二作目以降も、フーはイーさんにめろめろだが、ちゃんと伏線が張ってあった。

 名前がよく似ているジャッキー・チュン(この名前は反則だと思う。この人も、いろいろな映画に出ているようだ)もアメリカ帰りの弟子の一人として出ている。

 ロザムンド・クァンが、この当時は、まだ地位が低かったのか、頭から汚物をかぶったり、悪者につかまっていたぶられるシーンでは、ツバや酒を顔に吐きかけられ、殴られたあげくに服も破かれ、あわや・・・となるなど、汚れ役をやっている。なんか痛々しくて、イヤ。ロザムンド・クァンは、こんなことやったらあかん。
 シリーズものの「影絵」のシーンでは、ウォンの服のサイズを測る時に、そっと頭をなでなでする。「イギリスにいる2年間も、いつもあなたを想っていた」と積極的に告っていた。

 決定的に弱いのは、ライバルの魅力のなさではないか。鉄の体を持つイェンであるが、ごろつきの手下どもにおだてられて船の中で芸を披露しているようでは、シンパシーの抱きようもない。

(資料)
1991年香港作品
監督:ツィ・ハーク(徐克)
主演:ウォン・フェイフォン(黄飛鴻)→リー・リンチェイ(李連杰)
イーさん(十三姨)→ロザムント・クァン(關之琳)、フー→ユン・ピョウ(元彪)、
出っ歯のソー→ジャッキー・チュン(張学友)、デブの肉屋のカイ→鄭則士(ケント・チェン)、鉄壁のイェン→ヤン・サイクーン(任世官)
★★☆




「天地大乱 ワンス・アポナ・タイム・イン・チャイナ2」

(ストーリー)
 仏山から広州の医学会に出るため列車に乗っているウォン・フェイフォン、イーさん、フーの一行。
 街では、外国人を排斥する白蓮教団が横行しており、イーさんは危うく連れ去られそうになる。

 学会で外国人からの質問に困っていたウォンを、通訳して救ってくれたのが孫文だった。学会の場は白蓮教徒の焼き打ちにあう。
 白蓮教徒たちは、同文館(外国語学校)も襲撃した。子どもたちは何とか難を逃れたので、ウォンらが英国領事館に保護した。
 ウォンは、白蓮教徒の本拠に乗り込み、激戦の末にクン大師を倒す。

 一方、官憲は孫文と出資者陸を追っていた。翌朝7時、埠頭で待つ孫文のもとに協力者の名簿を届けようとした陸は官兵の銃弾に倒れた。官憲の手に渡らぬよう名簿を焼いた陸は、代わりに、ある布をウォンに託してこときれた。
 埠頭をめざすウォンとフーの前に立ちふさがったのは、布を鉄の鞭のようにあやつる提督であった・・・

(ひとこと)
 弟子のフーは、前作のユン・ピョウから、バタくさい顔をしたモク・シウチョンに代わっている。かなりエッチだが、憎めぬキャラクターである。

 白蓮教徒の親玉は、次作でブレークするション・シンシンが怪演している。
 ドニー・イェン扮する提督との対決は、最初の武術稽古風の時から凄い。棒のしなりが美しい。ラストの布棍対決も良かったのだが、最後が刃物を使って勝ったみたいな形になったのが、少し残念といえば残念。

 イーさんの影絵シリーズは拳法の稽古が社交ダンスに変わるもの。「あなたとは親戚だけど、恋人だと思ってるわ」と積極的である。
 ドラマチックな革命の揺籃期を舞台に、ロザムンド・クァンとのラブロマンスもからませ、もちろんアクションは華麗にして迫力満点。密度の濃い快作と言えるだろう。

(おまけ)
 主題歌の歌詞、字幕で表現されてた分をちょっとメモしときます。
 白蓮教徒が外国製品を燃やす炎を突き破るように、機関車が現れ、イントロが盛り上がる。
 朝焼けの海岸で自警団が拳法の鍛錬をするおなじみのシーンにかぶって、流れる主題歌なんですが、どなたか原語の歌詞、ご存知ないですかね?なお、「主唱:成龍」と字幕に出ます。ジャッキー・チェンが歌ってるみたいですね。


波高くとも我は行かん    燃える血潮は太陽のよう
勇気は固し鉄のよう     骨はまるで鋼鉄のごとし
情は限りなく          眼光は遥かなり
自分をさらに鍛え上げ    英雄になれ
英雄になるために      毎日自分を鍛えるのだ
熱血男児になるために   太陽よりも熱くなれ


海と空から精気を吸い取り   天と地を探検するのだ
理想のためには命をかける  高波は白く砕け
空はあくまでも青く澄み渡る
男なら自分を鍛えよ       誇りをもって前進しよう
英雄になろう           自らの情熱を
光のように輝かせ        英雄になれ
我が血潮は熱い         太陽よりも燃えている   

(資料)
1992年香港作品
監督:ツィ・ハーク(徐克)
主演:ウォン・フェイフォン(黄飛鴻)→リー・リンチェイ(李連杰)
イーさん(十三姨)→ロザムンド・クァン(關之琳)、フー→モク・シウチョン(莫少聰)
提督→ドニー・イェン(甄子丹)、クン大師→ション・シンシン(熊欣欣)
原題:黄飛鴻之二 男兒當自強
★★★☆


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