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アジア映画れびゅう(24)「燃えよデブゴン カエル拳対カニ拳」 
 

(ご注意)かなりネタばれです。まだ観てなくてストーリーを知りたくない人は、お気をつけください。
 
また、記憶違いなども多いでしょうが、ご容赦ください。


「燃えよデブゴン カエル拳対カニ拳」

(ストーリー)
 タイガーは、腕の立つ便利屋。今日も、逃げ出した夫を探してくれ、とおばあさんが依頼に来た。
 旦那はまだ28歳と聞き、これじゃまた逃げ出すに決まってると一度は断るが、娼館とバクチのつけを清算したうえに金20両と言われて引き受ける。
燃えよデブゴン カエル拳対カニ拳 一方、逃げ出した旦那のデブ。バクチ場で色仕掛けで誘われ、女スリを助けるはめになる。
 「不可視鎧」のおかげで刃物もへっちゃら。追っ手をやっつけ、意気揚揚と女スリの部屋に。鎧を脱いでベッドに飛び込んだとたん、女は鎧をひっさらって姿を消した。

 意気消沈したデブは、山道でタイガーにつかまる。デブが身に付けていた不可視鎧はおばあさんの家に代々伝わる伝説のお宝で、これが欲しさにデブは、彼女を口説き落としたのだった。 
 タイガーは、おばあさんから礼金を受け取った後、こっそりデブを逃がし、一緒に不可視鎧を取り戻そうとする・・・

(あれこれ)
 タイトルからして自明だろうが、実にくだらないB級の中のB級映画。
 女スリは「千手観音」という。手をつかまれたが、それはマネキンの腕で、すぽっ!と抜いて逃げる、というのを繰り返す。ああ、くだらない。

 デブを毒殺しようとする刺客の作戦はこうだ。デブに猛毒入りの水を勧める。「毒なんか入ってないよ」と安心させるため、毒見してみせる。人さし指を椀に突っ込み、中指をなめるのだ。

 ところが、デブは椀をはらいのけたため、刺客は指を柱に打ちつけてしまった。痛さのあまり、うっかりとその指を口に・・・・。
 トイレでちょびっと指についちゃって、指を振って払い落とそうとしたら、うっかり便器にぶつけちゃって、痛いもんだから、ついその指を・・・・っていうよくある笑い話を思い出した。ああ、くだらない。

 鎧を狙う強敵はパンサー、笑うタイガーの山賊兄弟。しかし、何より恐ろしいのは無敵の蟹型十六拳をあやつる父親白眉和尚
 不可視鎧というくらいだから見えない筈だが、実によく見える。ただの細かい鎖かたびらだ。

 最後は、奪った鎧を着込んだ白眉和尚対デブ・タイガー連合軍。二本指をチョキチョキしながら、横歩きする和尚には歯が立たない。
 しかし、戦いの途中で鎧の端っこがイバラか何かの枝にひっかかる。すると、和尚が動くたびに、不可視鎧が手編みのセーターみたいにほつれていく。ほどけて無防備になった胴体に拳を打ち込み、両腕はほつれた鎖でぎりぎりと縛り上げ(蟹とか海老で、はさみをバンドで縛って売られているのを見かけるが、そんな感じ)、哀れ和尚も一巻の終わり。ああ、ほんとにくだらない。
 実にくだらないんだが、正直言って、こういうのって決して嫌いじゃない。



(資料)
1980年(1978?)香港作品
監督:カール・マッカ(麥嘉)
主演:デブ:サモ・ハン・キンポー(洪金寶)、タイガー:ラウ・カーウィン(劉家榮)
    パンサー:ディーン・セキ(石天)  
原題:Dirty Tiger,Crazy Frog(老虎田雞)

★★★



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