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(No5) 仏像鑑賞のご案内その5 如来部 総論  

 望月信成・佐和隆研・梅原猛共著の『仏像 心とかたち』(NHKブックス)では、古来日本人が仏像を鑑賞するにあたっては、いわば仏像を対象に自らの抒情詩を語る方法と、専ら様式に拘泥する二つの方法があったとしている。
 私が目指すのは、後者、すなわち様式論に限定するものである。





(1)  如来の意味

 
如来:サンスクリット語で「タターガタ」。

 真理(如)に到達した(悟った)人という意味。また、真理(如)に到達して、その真理を教えて人々を救うために、真理の世界から来た(来)人という意味。

 釈迦のように完全な悟りをひらいた人のことをサンスクリット語で「ブッダ」ともいう。その音を漢字にうつして「仏陀」といい、略して「仏」ともいう。

 よって、「仏」さまというのは、本来は修行中の「菩薩」などは含まず、「如来」だけをさす言葉である。 

 



(2) 様々な如来

 初期の仏教では、釈迦だけが仏であった。
 しかし、大乗仏教の時代では釈迦以外にも完全な悟りをひらいて仏陀になった人がいたのではないかと考えられた。

種別 名称 特徴
過去七仏 毘婆尸仏(びばしぶつ)
尸棄仏(しき〜)
毘舎浮仏(びしゃふ〜)
拘留孫仏(くるそん〜)
拘那含牟尼仏(くながんむに〜)
迦葉仏(かしょう〜)
釈迦牟尼仏(しゃかむに〜)
※ 『入門』P58
 
現在仏 阿弥陀如来  
未来仏 弥勒如来 弥勒「菩薩」であるが、56億7000万年後に悟りをひらくことが約束されているため弥勒「如来」といわれることもある。
その他 大日如来  
毘盧遮那如来  
その他  



 
 整備中ですが、データベースは下から↓
如来部 菩薩部 明王部 天部 垂迹部

参考文献(基本的に略称の50音順)
『案内』→『仏像案内』(編:佐和隆研。吉川弘文館)
『イコノ』→『仏像 イコノグラフィ』(岩波書店)
『鑑賞』→『仏像鑑賞の基本』(著:久野健。里文出版)
『興福寺』→図録『興福寺国宝展』
『弘法』→図録『弘法大師と密教美術』
『最澄』→図録『最澄と天台の国宝』
『釈尊』→図録『ブッダ釈尊』
『日本』→『日本美術史』(美術出版社)
『入門』→『仏教美術入門』(著:佐和隆研。現代教養文庫)
『秘仏』→『日本の秘仏』(平凡社)
『百態』→『仏像百態』(著:渡辺照宏。淡交新社)
『平泉』→『平泉 鎌倉』(太陽仏像仏画シリーズIII 平凡社)
『仏像』→『仏像』(著:久野健。学生社)
『仏像 心』→『仏像 心とかたち』(著:梅原猛ほか。NHKブックス)
『続 仏像』→『続 仏像 心とかたち』(同上)
『ぶつぞう』→『ぶつぞう入門』(作:柴門ふみ。文春文庫)
『ブッダ』→図録『ブッダ展』
『密教』→『日本密教』(著:佐和隆研。NHKブックス)
『わかる』→『仏像がよくわかる本』(著:瓜生中。PHP文庫)
参考文献 『鑑賞』→『仏像鑑賞の基本』(著:久野健。里文出版)ほか。

  

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