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(No14) 仏像鑑賞のご案内その14 大日如来その1  

 望月信成・佐和隆研・梅原猛共著の『仏像 心とかたち』(NHKブックス)では、古来日本人が仏像を鑑賞するにあたっては、いわば仏像を対象に自らの抒情詩を語る方法と、専ら様式に拘泥する二つの方法があったとしている。
 私が目指すのは、後者、すなわち様式論に限定するものである。





(1)  大日如来の意味

 
サンスクリット語でマハーヴァイローチャナという。「マハー」を音写すると「摩訶」で、「大きい」、「偉大な」といった意味だが、特に大きな違いはない。

 毘盧舎那如来を密教では大日如来と呼ぶ。

 密教では、すべての如来や菩薩、明王などは大日如来の化身と考えられている。

 



(2) 大日如来の形

 
種別 名称 特徴
持物   如来は宝冠や装飾品を一切つけないのが一般的だが、大日如来はとりわけ豪華な宝冠や装飾品を身につけている。
宝冠 金剛界:五智宝冠  
胎蔵界:五仏宝冠  
姿勢 結跏趺坐 蓮華座に座っている。
体色 金剛界:白色  
胎蔵界:金色  
印相 金剛界:智拳印(ちけんいん) 左手の人差し指を右手で握る。忍者が術をかける時の手つきに似ている。
胎蔵界:法界定印(ほっかいじょういん)  


 


(3) 大日如来の脇侍

 三尊像の脇侍ではないが、多宝塔に本尊大日如来を中心に、四方に四体の如来を安置することがある。

 
金剛界五仏 大日如来 阿弥陀如来 阿閦(あしゅく)如来 宝生(ほうしょう)如来 不空成就如来
胎蔵界五仏 大日如来 無量寿如来(阿弥陀如来) 宝幢(ほうどう)如来 開敷華王(かいふげおう)如来 天鼓雷音(てんくらいおん)如来

 

 

 



 整備中ですが、データベースは下から↓
如来部 菩薩部 明王部 天部 垂迹・羅漢部

参考文献(基本的に略称の50音順)
『案内』→『仏像案内』(編:佐和隆研。吉川弘文館)
『イコノ』→『仏像 イコノグラフィ』(岩波書店)
『鑑賞』→『仏像鑑賞の基本』(著:久野健。里文出版)
『興福寺』→図録『興福寺国宝展』
『弘法』→図録『弘法大師と密教美術』
『最澄』→図録『最澄と天台の国宝』
『釈尊』→図録『ブッダ釈尊』
『日本』→『日本美術史』(美術出版社)
『入門』→『仏教美術入門』(著:佐和隆研。現代教養文庫)
『秘仏』→『日本の秘仏』(平凡社)
『百態』→『仏像百態』(著:渡辺照宏。淡交新社)
『平泉』→『平泉 鎌倉』(太陽仏像仏画シリーズIII 平凡社)
『仏像』→『仏像』(著:久野健。学生社)
『仏像 心』→『仏像 心とかたち』(著:梅原猛ほか。NHKブックス)
『続 仏像』→『続 仏像 心とかたち』(同上)
『ぶつぞう』→『ぶつぞう入門』(作:柴門ふみ。文春文庫)
『ブッダ』→図録『ブッダ展』
『密教』→『日本密教』(著:佐和隆研。NHKブックス)
『わかる』→『仏像がよくわかる本』(著:瓜生中。PHP文庫)


  

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