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(No126) 特別展「妙心寺」鑑賞記 その1 

 平成21年4月18日(土)に講演会を聴きに行った時に観た京都国立博物館における特別展。

 もう半年近く前のことなんで、ただのメモだけ。


【 第1章 臨済禅 応燈関の法脈 】

パンフ解説(以下同じ)

 禅宗は師匠から弟子へと教えを受け継いでいくことを重視し、妙心寺の開山となった関山慧玄にいたる教えの系譜は「応燈関の法脈」といわれます。

 袈裟や頂相(禅僧の肖像)、墨蹟、同時代の美術品を中心に、この系譜の具体的な流れを辿ります。

 応燈関については、ここで(青太字で)書いた。

菊唐草文螺鈿玳瑁合子 朝鮮・高麗(12〜13C) 京都・桂春院

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【 第2章 妙心寺の開創 花園法皇の帰依 】

 好学の君主であった花園天皇は晩年、禅宗に深く帰依し、妙心寺は自らの離宮を禅寺に改めたことにはじまります。

 天皇と禅宗、そして妙心寺とのひとかたならぬ関係を肖像、宸翰(天皇の書)から明らかにします。

重文 花園天皇宸翰置文 南北朝 貞和3年(1347) 妙心寺

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【 第3章 妙心寺の中興 歴代と外護者 】

 妙心寺は開創以後、土地や財産の没収、応仁・文明の乱による焼失など、重大な危機に直面しますが、そのたびごとに復興を遂げました。

 ここで大きな役割をはたした歴代住持や彼らを援助した人々に、頂相、肖像、古文書などをつうじて迫ります。

 こうした中興の祖(7世ら)についても、ここで書いている。


【 第4章 禅の空間 1 唐絵と中世水墨画 】

 妙心寺山内には、中国から日本へともたらされた絵画(唐絵)、それらの影響をうけて日本で描かれた水墨画が数多く伝えられています。

 教科書でもおなじみの国宝「瓢鮎図」や狩野元信の障壁画など、選りすぐりの逸品を展示します。

国宝 瓢鮎図 大岳周崇31名賛 如拙 筆 室町(15C) 京都・退蔵院

 「瓢箪なまず」の絵なんで、「鮎」(あゆ)じゃなく、「鯰」では?「ひょうねんず」だし・・・と思ったが、京博HPの解説を読むと、鮎魚で正しいようだ。

 上部にずらずら並んだ賛が特徴的。後期のみの展示なんで私は観ていないが、確か以前、京博の通常展で観た。

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重文 四季花鳥図 狩野元信 筆 室町 天文12年(1543) 京都・霊雲院

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 なお、大仙院の四季花鳥図については、ここで書いた。 


【 第5章 遠諱の風景 荘厳と儀礼 】

 妙心寺では関山慧玄の示寂後、50年または100年ごとに大きな法要が営まれ、詳細な記録が作成されてきました。

 こうした記録をもとに、宝暦9年(1759)に行われた400年遠諱の空間を可能な限り再現することを試みます。

国宝 宗峰妙超墨蹟「関山」道号 鎌倉 嘉暦4年(1329) 妙心寺

関山慧玄坐像 吉野右京種次 作 江戸 明暦2年(1656) 妙心寺

 いずれも、画像はこちら

 


【 第6章 妙心寺と大檀越 繁栄の礎 】

 近世の妙心寺が大きな飛躍をとげた一因として、有力な大名が住持との間に強固な関係を築き、積極的にバックアップしたことがあげられます。

 豊臣秀吉をはじめとする諸大名ゆかりの品々から、両者のつながりを考えます。

重文 玩具船 豊臣棄丸所用 桃山(16C) 妙心寺

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 妙心寺は、天正19年(1591)秀吉の第1子である棄丸(鶴松)の葬儀(わずか3歳で夭折)を執り行った。固い結びつきがわかる。

 この船は実に印象深いものだった。当時のレベルとしては非常に豪勢な「子供のおもちゃ」であろう。下に車がついているので、秀吉自ら鶴松を乗せて引っ張ったりしたのだろうか。

 その時の秀吉の幸せ、そして、亡くした時の悲嘆は想像に余りある。


【 第7章 近世の禅風 白隠登場 】

 妙心寺のながい歴史を語るにあたって、絵画や墨蹟をつうじて民間にわかりやすく禅の教えを説いた白隠慧鶴の功績は大きいと言わざるをえません。

 巨大な達磨像からユーモアに富んだ戯画まで、白隠の代表的な作品を紹介します。

達磨像 白隠慧鶴 筆 江戸(18C) 大分・万寿寺

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 ミュージアムショップで思わず、『白隠 禅画の世界』(芳澤勝弘著。中公新書)を買ってしまった。本書の巻頭に掲載されているのが上記の達磨像である。


【 第8章 禅の空間2 近世障壁画のかがやき 】

 妙心寺山内では、伽藍の整備がすすむにつれて、室内をいろどる障屏画が数多く制作されました。

 狩野派をはじめ、長谷川等伯、海北友松ら有名絵師たちが存分に腕をふるった名品を、心ゆくまでご覧ください。

重文 枯木猿猴図 長谷川等伯 筆  桃山(16〜17C) 京都・龍泉庵

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 「猿」はテナガザルで、「猴」は手の短いサルだ、と違いを強調するのはご存知中野美代子氏だ。
 「枯木猿猴図」って一体どっちなんだよ!って怒られそうだ。
 絵を見る限りテナガザルのようだが。
 生まれたてのペンギンみたいなモコモコの毛におおわれている。

重文 花卉図屏風 海北友松 筆  桃山(17C) 妙心寺

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重文 寒山拾得・三酸図屏風 海北友松 筆  桃山(17C) 妙心寺

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 この寒山拾得、どっちも非常に微妙な(はっきり言うと気持ち悪い)笑顔である。
 こいつを虎と並べてチラシのメインに持ってきた勇気を買いたい。

重文 龍虎図屏風 狩野山楽 筆  桃山(17C) 妙心寺

 龍の画像はこちら
  虎の画像は、こちら又はこちら

 確か博物館入り口(切符売場のとこ)にど〜んとでっかい虎のレプリカ図を展示しており、そこで記念写真を撮っている人も多かった。

 

老梅図襖 旧天祥院障壁画 狩野山雪 筆 江戸(17C) アメリカ・メトロポリタン美術館

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 どうもお疲れ様でした。

 
  

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