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(No122) 「仏像ガールってなんですか  〜仏像の魅力を大いに語る〜」 聴講記 その3

 平成21年3月20日(金・祝)に、奈良国立博物館で上記の催し物があった・・・・の完結編。


 
 
第2部 ”仏像ガール”と奈良国立博物館西山学芸部長とのトークショー 〜ここが好き!私のオススメの仏像さん〜 (14時〜15時) 

【 不動明王像 富山・日石寺 】

ガ「今日、富山県から来られてる方は・・・・・・?あ、いらっしゃいませんか」
西「富山さん、て方は?・・・・・てこればっかり
(←山口県の仏像の時も同じボケをかました)

ガ「私、この仏像では怖い思いをしました。
 最寄駅から・・・・歩いて2時間くらいかかるんです。
 私、資本力の関係で、基本的に歩くか自転車なんですね。

 お堂の中が真っ暗なんです。灯りで浮かび上がってきて。
 ちょっとせり出してくる感じなんで、圧迫される感じなんです。
 お不動様の怖さを感じました」

西「私、まだ行ったことがないんです」
ガ「一度、是非行ってみてください」
西「石仏の代表・・・といっていいでしょうね」

【 愛染明王像 奈良国立博物館所蔵 】

西「愛染明王ですから、愛に染まってます。色恋・・・とゆうか。愛欲を悟りに変える・・・なんて言われてますが本当ですかねぇ?

 弓矢を持ってますのでキューピットのように言われます。でも矢の先を見てください。(と、拡大図像が出る)

 尖ってません。鏑矢
(かぶらや)とゆう奴です。
 威嚇するための矢です」
ガ「大きな音がするんですね」
西「愛染明王のいい所は赤いところです」

 ガールは「音が・・・」と言ってるのに、西山先生は、それにはコメントせず色の話をした。
 どうも西山先生の放置プレーが多いような気がする。



西「(パソコンを操作し、「天 その他」という文字を表示し) どんどん行きましょう。

 しかし、『その他』というのはナニでしたね。

 天て何でしょう?」
ガ「神様?」

西「守護神ですね」

【 四天王像 奈良・法隆寺 】

西「四天王って怖いのが多いけど、これは可愛らしい。踏まれてる邪鬼も可愛らしい。
 素晴らしい展覧会でした。
(石野注 先日あった法隆寺金堂展のことと思う)

 ものまね四天王なんてのもありますね」

ガ「四天王は法隆寺に始まるんですね」

西「四天王にはそれぞれ役割があって、東西南北を護っています。

(後ろから撮った写真を表示して)お尻のラインがいいですね」
ガ「プリーツもきれいです」

【 訶梨帝母像 滋賀・園城寺 】

西「訶梨帝母(かりていも)は、最初は子供を食べていたんですが釈迦に諭されて改心しました。

 何とも言えぬ、優しいお顔をしています」
ガ「優しい表情・・・がお好きなんですね」

 

【 大黒天像 福岡・観世音寺 】

ガ「こんなスマートな大黒天はめったにいません」
西「もともと戦さの神ですからね」
ガ「少し怖い表情をしています」


【 迦楼羅像 奈良・興福寺 】

西「興福寺とゆうと、阿修羅像が猛烈に有名なんですが。

 迦楼羅
(かるら)は子供です。この像を見てると、後ろから手をつなぎたくなる

 子供だからキョロキョロしてるんです。

 手をつないでやっても、自分が手をつないでるとも意識しないまま手をつないでるでしょうね」


【 五部浄像 奈良・興福寺 】

西「この眼をみてください。

 この像は上半身しかないんですね。ほかの八部衆は上下揃ってるんですが。

 こうした像は西金堂に安置されていました。西金堂は戦さなどで4回焼けたのですが、4回とも仏像は救い出されました。

 まあ、4回とも救い出された理由の一つは軽かった・・・ということもあるでしょうね」
ガ「”かる”らだけに・・・・・・・・・・・・・・?
(西山部長の冷たい視線をあびて)うけると思ったのに」

 マジでコメントすると、西山先生が「軽い」と言ったのは、興福寺の八部衆が乾漆造りだから。
 乾漆造りとは粘土で原形を造り、その上に麻布を巻いて漆で固める。で、一部(背中側)を切り開いて、中の土を取り出して整形するというもので、まあ言えば「はりぼて」みたいなものなので軽いのだ。そりゃ、木像や銅像よりは危急の際、持ち出しやすいとは言える。



西「21世紀のいま、ここにあるのは守られてきたから。4回救い出した人がいる。

 そんなことばかり考えている必要はないけど、ふとした時に、仏像が大事にされ、守られてきたということを考えるのは大事。
 奇跡に近いことですからね。

 では、そろそろ締めのコメントをいただきましょうか」

 先生はパソコンを操作し、トークショーが始める時のスタート画面に戻す。

 画面左手に大きな西山部長の写真(上半身のみ。 画面右手やや上方を見ている感じ)
 中央上部に「仏像ガール」云々のタイトル文字。
 そして右端に仏像ガールの全身イラスト。サイズは小さめ。

 で、西山部長が何かキー操作すると、右端のガールのイラストが左に平行移動し、西山部長の写真に寄り添う形になったので、場内大爆笑。

ガ「あの〜、意図を教えてください」
西「今、見たままですけど。

 もう1回やってみようか?
(再度繰り返す)
 これ作るのに時間がかかった」

ガ「本の監修お願いする時、熱いラブレターを送りました。先生大好き!先生しかいませんって感じで。

 先生はメールが短いので有名なんです。『僕は監修より観衆の方がいいですねぇ』って・・・・・・。

 つかみどころのない先生だなぁって思って。夢にも出てくる一月間だったのに」

西「
(写真を見て)私は違う所を見ている」

ガ「あったかいなぁ。仏様が大切にされているこの場所って。

 締めちゃって大丈夫ですか?

 平常展行かない人が多いけど・・・・・・・・もったいない。

 日本にこんな素晴らしい仏像がある。それが今、ここにある。

 そのことを幸せだなと思ってもらえれば、私も嬉しいです。ありがとうございました」


 入場の時、整理券を渡されたのだが、そこに「オリジナル手ぬぐい抽選券」と書いてあった。また、チラシにも抽選で20名にプレゼント・・・と書いてあった。

 いったん引っ込んだガールが、紙箱を持った館の職員とともに再登場。今日の定員は200名。箱から20回札を取り出し、その度に当たった、外れたと盛り上がるのか・・・と思ってたら、箱の中からA4くらいのでかい紙が取り出された。そこには「6」と大書されていた。
 整理券記載の番号の下1けたが「6」の人が当たり・・・とのことであった。

 箱にはもともと1枚しか入ってないんじゃん。楽屋裏で決まってたんじゃん!・・・・・と関西人でありながら横浜弁でキレたくなった。 

 左写真は、サイン会での西山部長と仏像ガール。




 
平常展を観て、奈良博をあとにした。

 

 



  

 
 どうもお疲れ様でした。

 
  

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