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(No23) OSAKA演博 2010 鑑賞記 その5

 「OSAKA演博2010」とは、何なのか?

 ともかく、そんな大きな国際イベントが旭区の区民センターや芸術創造館で開催されている・・・・・の続き。

 


みどりのかいじゅう

出演:ゲキダンキオ(日本/演劇)

キャスト:岸田たま子、南裕子、中立公平(なかだちこうへい)、如是我紋(にょぜがもん)

音響映像:まいくまこ

 ゲームばかりしている少年。爆弾を落とすゲームだ。

 父親がやって来てキャッチボールに誘うが、ボールも気持ちもうまくやり取りできない。

 と、突然赤紙(召集令状)が降ってきて、父親は軍服に着替え、最後まで心を開かなかった息子にボールを託し、寂しそうに見つめ、敬礼をして去っていく。

 

 ゲーム画面にあった爆撃機や降り注ぐ爆弾の雨が現実のものとなる。

 逃げまどう少年。


 


  父親に似た軍人が現われ、水や食べ物を与えてくれる。

 彼のマシンガンを乱射して興奮する少年。


  再び一人になった少年の前に「みどりのかいじゅう」が現れた。なぜか、かいじゅうはボールを持っていた。
 かいじゅうをキャッチボールに誘う少年。うまくできないかいじゅうに、ふと以前の自分を重ね合わせる。

 かいじゅうは軍人に射殺される。

 号泣する少年。彼の涙のように、大地に雨が降り注ぐ。そして、その雨が、「みどりのかいじゅう」を蘇生させる・・・・。

 

 少年の嗚咽以外に台詞はない。

 映像効果が素晴らしい。何よりも「影」のキレ、こんなにくっきりとエッジの立った影が出せるのだなと感じた。 

 


ロビンソン&クルーソー

メリディアーノ・シアター(デンマーク/演劇)

キャスト:ヤン・オールゴー・モウセン、クラウディオ・モラルス

 ステージには建物の屋根だけが見えている。屋根の横には木の先端部がのぞいている。どうやら海の中に水没している感じ。

 と、右手からタライ船のような感じで箱に乗ったひげの男がやって来て、屋根に上がる。

 屋根の端には煙突があり、その横に四角いハッチのような扉があり、屋根裏に下りていける。ひげ男は、様子を見に、下りていく。

 

 と、左手奥から別の男が。泳いできたらしい。屋根の上で両者は鉢合わせした。いきなり取っ組み合いとなり、ひげ男が勝利した。

 後ろ手に煙突に縛り付けられている短髪男。夜が訪れる。闇に紛れて縄を解き逆襲に転じる。夜が明けると、縛られているのはひげ男だった。

 再び闇が訪れる。

 お互いに首を絞めあうが、参ってしまって、二人同時に両手で「バツ」印を出して、休戦する。

 そして、コミュニケーションを取ろうとするのだが、ひげ男はヨーロッパの言葉をいくつか話すが、短髪男は、何か訳の分からない言葉しかしゃべれない。

 どうしても言葉の通じない短髪男に引きずられてしまう。

 飛行機が落ちて・・・・というのを手真似で「フゥウウウウウ〜〜〜」とする。
 ひげ男も最初英語などで説明するが、どうしても通じず、結局、ひげ男も手真似で「フゥウウウウウ〜〜〜」 。

 自分のことはドモというらしい。しかし単純にドモ、ドモじゃなく、自分と相手は違うらしい。

 一方、靴下を繕ったりけっこう小まめな短髪男。シャツなどをばんばん叩きつけて洗濯。それに合わせて「♪○×△□  ○×△□♪」と唄う。

 ひげ男が、それを見て同じようにばんばん叩きつけて洗濯しながら真似して歌を唄うのだが、どうも短髪男の歌とは微妙に違う。

 何度も口伝えで教えるが直らない。で、結局、短髪男も、ひげ男の歌詞で唄い出すとこには大爆笑。

 屋根裏に入り込んでいろいろなものを運び出してくるが、その中にピンポン球をあった。なぜかラケットを持ってる短髪男。

 

 酒瓶が出てくる。酔っ払ってしまえば、言葉は要らない。

 パラソルを差して踊り、ほうきをギターに見立てて奏でるやら、大盛り上がり。

 すっかり打ち解けた二人は、お互いの家族の写真を見せ合う。そうだ!家に帰ろう!屋根裏から運び出した木材で船をつくり、さあ、出発。

 でも行き先は右と左だ。ハグして、両側にはけていく。
 


わたしにさようなら

ゲキダンキオ+play BST(日本・韓国/演劇)

キャスト:真珠白子(しんじゅしらこ)、ユー・ソンチョル、イ・ジミン、益荒猛男、定平翔

 日本人男性と韓国人女性の間の娘「わたし」。

 男性は、スキンヘッドでひげ。「玉ちゃん」にちょい似てるか。

 女性は、やせた青木さやか。

 女性の方が高給取り。というか女性に養ってもらってるような状態で、一家は娘と共に韓国へ移住することに。

「わたしの気持ちは?わたし、友達と別れたくないよ!」
 わたしの気持ちは聞いてもらえない。

 韓国語がうまく話せない「わたし」は、学校でいじめにあう。

 家庭内でも冷たい風が吹いている。偶数日、奇数日で家庭内で使う言葉を分けるなど平等を心がけているが、女性は「親戚の前では日本語は使わないで!」などと高圧的だし、男性はコンプレックスからか、ネチネチしたいやみを言う。

 夫婦喧嘩で直接口をきかなくなった夫婦の間で伝言役をつとめる「わたし」は、何とかとりなそうと、きつい言葉をいたわりの言葉に変えて伝える気遣いを見せるが、一方では「なぜ産んだ!なぜ産んだ!」と叫びながら学校の庭園で花を切り刻んでいく一面もある。

 横で、同じように花を切り刻んでいた韓国人の男の子がいた。エリートの母親から「勉強しろ」としか言われない男の子。二人は共通するものを感じる。

 

 最後、二人(を象徴する人形)は、窓枠に逆さにぶら下がっている。

 そのまま、二人は下へ落ちて「わたしにさようなら」となるのかと思ったが、そうではなく、二人の笑い声で終った。

 


 
 どうもご退屈さまでした。
  
 

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