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(No1) 「ロボカップ2010大阪」      

 

 GW中ですが、2010年(平成22年)5月2日(日)から4日(火)にかけて大阪工業大学キャンパス(大阪市旭区大宮5丁目)で開催されたRoboCup JAPAN OPEN 2010 OSAKA を観に行きました。


 「ロボカップ」というのは、「2050年までにヒューマノイドロボットが人間のワールドカップサッカー優勝チームに勝利することを目指して、ロボットによるサッカーの実現をテーマにロボット工学や人工知能の研究を推進することから始まった国際プロジェクト」(大会パンフレットから転載)だそうだ。

 これまでロボカップは、2008年は沼津、2009年は京セラドームで開催されたそうなのだが、2010年は、大阪市旭区の大阪工業大学キャンパスで開催されることとなった。

 初日からお邪魔したかったのだが、何やかやとあって、結局最終日の4日(火)に行かせていただいた。

 


 受付を通り、まずキャンパス2号館の「ヒューマイノドリーグ」を観に行った。

 パンフの解説によると「ヒューマノイドリーグ  2002年の世界大会から正式種目となった自律型2足歩行ロボットによるリーグ」とあった。

 しかし、ちょうど調整時間となったみたいで、動きがなかったため、10号館に移った。

 

 10号館では、1〜3階で、子どもたちのために「大阪工業大学 モノラボ・ものづくり道場」という催しをされておられた。
 実際の講習は昼からのようだったが、予約を求める親子連れで受付は賑わっていた。


 続いて6号館の3階、「標準プラットフォームリーグ」へ。

 これは、各チームが同じロボットを使って競う競技で、ロボット犬のAIBOで争うリーグと、フランス製ヒューマノイド(「人型」)ロボット(NAO)で争うリーグに分かれる。

 私が行った時には、ちょうど人型ロボットで福岡工業大学と立命館大学との準決勝の試合だった。

 司会とゆうか実況中継のお兄さんが、多分どこかの大学生なのだろうが、飄々とした感じでなかなかいい。
 
「ロボットは、ボールとは、全然違う所に行きます」
「福岡工業大学は1200ユーロも出してフランスからロボットを買いましたが、そいつが全然使えないことが判明して困ってます」
「あの・・・・動きが欲しい人は、11時半からのAIBOの試合を観てください。あっちは、獰猛な犬が機敏な動きをしたりします。

 ここは、動きはありません。むしろ、外の淀川の堤防を見ていただいた方が。とっても春らしい景色です」


 確かに、いい所まではいくのだが、そこから関係ない所に進んだりする。

 人間だと、まずまず真っ直ぐに進めたりするが、ロボットは、一歩につき例えば5度とか10度ずれたりすると、どんどん変な方向に行ったりする・・・・・なんてことを、中継放送の中でさりげなく解説してくれていた。

 

 結局、時間内で決着はつかなかったのだが、決勝進出者を決めなければならない関係で、PK戦に突入することになった。

 ところが、ロボットにとっては、本戦だけで「いっぱいいっぱい」だったらしく、見ると、立命館の人が、寝転がったロボットを必死で扇いでいる。どうやら「オーバーヒート」してしまったようなのだ。でも非情にタイムアップの笛が鳴る。

 ペナルティエリアに据えられる攻撃(キック)側のロボット。

 で、キーパー側のロボットも据えなければならない。しかし、どうやら、準備が間に合わなかったらしく、「眼」は暗いままだ。どうも、電源は入ってないらしい。

 解説者は叫ぶ。

立命館のキーパーは意識がない。福岡工大、チャンスだぁ〜!!!」 

 

 

 PK戦を準備しているところ。

 だいぶ、予定より進行が遅れてるらしく「ケツカッチンです!急いでください!」とあおりが入る。

 立命館のキッカーは、身構えるのだが、いよいよ!てっとこで、横に倒れてしまう。

 ペナルティキックは、お互い失敗続きだったのだが、福岡、3回目、けっこう無造作にスタートして、蹴った球が、惜しくもゴールポストのやや左へ。
 主催者側が「5回戦全て失敗」も想定して、この失敗ボールも、ゴールポストからの距離を測定すると宣言。
 ついにサッカー界にも「ニアピン」の論理が導入されることになったようだ。

 福工大の記録は、「70cm」。(←何のこっちゃ?)

 4回目に福岡は見事にゴールを決めた。

 解説の人が、「ロボカップ史上初めてPKが決まりました。これは歴史的な一瞬です!」と絶叫していたから、私はひょっとすると、物凄い一瞬に居合わせたのかもしれない。


 歴史的なPKが決まる寸前。

 結局、立命はギブアップしたので決勝進出は福岡工大だったのだろう。

 次に、「総合体育館」会場へ。

 ここの2階では、
(1) 中型ロボットリーグ
(2) ダンスチャレンジ
(3) サッカーチャレンジ

が、行われる。

 右写真は、上記(3)。パンフによれば「小学校から参加できるロボットサッカー競技」とあるが、かなり高度な試合が展開されていた。

 会場正面のステージで開催されていたのが、「ダンスチャレンジ」。これもパンフ転載で「ロボット技術に衣装や振り付けを競合し、音楽に合わせて自由なテーマでパフォーマンスするダンス競技です」とある。 

   左写真は、同じく「中型ロボットリーグ」である。

 これもパンフによれば「縦横50cm未満のロボット5台でチームを構成し、18m×12mのフィールドで試合をするリーグです」とあった。


 総合体育館1階で開催されていたのが、
「小型ロボットリーグ」

 これは、直径18cm、高さ15cm以内の車輪型ロボットで戦うものなのだが、今年から「ヒト型のロボットに置き換えた新リーグ」が実施されたようだ。
 私が観た時は、確か、ヒューマノイド型で、ODENS(大阪電通大)とOwaribito−CU(「尾張人」中京大学)との試合だった。

 その前に観た「標準」のフランス製ヒト型ロボットの、転んだらそれでおしまい(中継の人も「介護の人は、いつ転ぶか、気が気じゃありません!」と言っていた)・・・のロボットと違い、転んでも、足をさっ!と両側に開き、その足をぴしゃっ!と揃える拍子に、みごとにすくっ!と立つ。 

 その機敏な動きには感心してしまった。

 この小型ロボは、予め動きをプログラムしておいて、いったん試合が始まってしまうと、その後で指示をしたりはできないそうだ。

 私が見ている時は、ロボットがドリブルのようなことをして中央に持ち込み、キーパーもそれなりに反応したのだが、ちょっと行き過ぎてしまったところで攻撃側が軽くちょん!と蹴って、見事にゴールが決まったのであった。


 第2体育館で実施されていたのが「ロボカップレスキュー 実機リーグ」

 これは、「被災現場を模したフィールド内にいる被災者を遠隔操作、または完全自律型のロボットを使用して探査し、得られた被災者の情報(状態・場所など)の精度を競う競技です」とパンフにはある。

 
 右写真は、模擬コースを進むロボット。

 この種目には、旭消防署の方もいたく興味を示され連日見学に来られていたと、ロボカップ開催委員会の事務局長さんから伺った。

 

 あと、10号館4階で、シミュレーションリーグも観た。
 これは「機体を使うことなく、コンピュータ上のフィールドで異なった人工知能プログラミングされたプレーヤがサッカーを行うリーグ」

 2Dだと、本物みたいに11vs11で争う。
 ああ、セレッソにもこれが・・・・なんて思うようなワンツーや、必殺キラーパス的なスルーパスが決まったり、ボールを持ちすぎて囲まれ、出す所がなくなって、無理に出したボールが相手方に渡ってしまったり・・・・と、そのリアルさには驚く。

 一方、「3D部門では、ヒューマノイド型ロボットが3次元フィールドで技を競います」とある。
 私が行った時は、ゴール前のフリーキックみたいな場面だったのだが、ボールと関係ないとこで、選手(画面上のロボット)がボテボテ倒れて収拾がつかない感じであった。
 CPUの演算能力からいって仕方ないのかなぁ?と思う一方で、よくTVで宣伝している「ウィイレ」だの何だののパソコンゲームの動き(リーガエスパニョーラ並みのあの連携プレー)は何なんだろう?と思った。

 

 

 


 お疲れさまでした。 
 
  

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